本日の一品

フルサイズセンサーで小型・軽量のデジタル一眼レフ「D600」

ニコン「D600」

 長らくニコンのデジタル一眼レフカメラ「D3」を使ってきたが、加齢や運動不足が影響しているのか、取材で持ち運ぶのが辛くなってきた。そこで、これまで使ってきたレンズや画角、感覚的な部分も含めて使い勝手を継承できて、なおかつ小型・軽量化が大幅に進むという点を重視し、思い切ってニコンの「D600」に移行した。

 「D3」を購入した当時、35mmフィルムと同等のサイズのセンサーを搭載するニコンのデジタルカメラは「D3」のみで、バリエーションは無かったのだが、現在までにこのフルサイズセンサー「FXフォーマット」対応のカメラは、トップエンドのモデルを中心にジワジワとラインナップを拡充してきた。しかし、やはり大型で重量級のモデルが中心で、少なくとも重さの面では買い替えを検討するには至らなかった。

 そうした中で発表された「D600」は、「D4」「D800」とラインナップされたフルサイズセンサー搭載モデルの下位に位置する、大幅な軽量化を果たしたモデルとして登場し、2012年9月に発売された。バッテリーを除いた本体のみの重さで比較すると、「D3」が1240gであるのに対し、「D600」は760gと、少なくとも筆者的には大幅に軽量化されたことになる。またセンサーの画素数は「D3」の約2倍となる2426万画素で、こちらも大幅なスペックアップだ。

 軽量化の良いところは、持ち運びが楽になるという点。筆者はレンズを会社と自宅に分散して置いており、ボディだけを自宅に持ち帰るということがよくあるのだが、こうした持ち運びが格段に楽になった。微妙な点は、軽さゆえに手に持った時の安定感が劣るのと、重いレンズを装着するとバランスが崩れる点だろう。軽いレンズを増やすという新たな検討が必要になる。

 画素数の増加により、パソコン上での編集で切り出したときの“耐性”とでもいうべき部分が強くなった。特に取材で撮影する写真は、後から切り出すことを前提に撮影する場合がある。画素数の増加により、大幅に切り出した時でも以前より自然に見えるようになった。一方で、写真のデータが大きいため、RAW現像だと5〜6年前のパソコンのスペックでは非常に時間がかかるようになってしまった。また、約2400万画素ともなると等倍では僅かな手ぶれ、被写体ぶれも目立つようになり、未熟な腕前を思い知らされることになる。

 動画撮影機能やライブビュー部分は、時代とともに進化している部分で、よい面がほとんど。ライブビューによる静止画の撮影は「D3」より分かりやすく、操作しやすくなった。また、動画撮影モードでもファインダーの映像をHDMIで出力できるので、Ustreamなど動画配信のカメラとしても使ってみるつもりだ。すでに本コーナーで紹介したワイヤレスモバイルアダプター「WU-1b」に対応しているのも最新機種ならではといえる。

 もちろん、使い勝手にはさまざまな側面があるため、当時のトップエンドモデルである「D3」が依然として有利と感じられる部分は多々ある。縦位置グリップの存在や連写可能なコマ数などはその最たる例だろう。軽量化や画素数の増加、動画撮影機能の充実など、時代とともに進化する部分に価値を見出だせるなら、「D600」は“アリ”ということになる。

 ニコンは「D4」から始まる現在の世代の「FXフォーマット」対応カメラをターゲットに、F4などF値(明るさ)を控えめにして小型・軽量化を図ったズームレンズのラインナップを拡大している。こうした比較的軽いレンズとの組み合わせを考えると、ボディが軽い「D600」の魅力はさらに高まる。すでに明るくて重いレンズを揃えている人にとってレンズをさらに追加していくのは難しい選択だが、カメラの軽さはまわりまわって精神的な気軽さにも影響すると感じているので、写真との付き合い方を見直す意味でも「D600」の軽さは良い刺激になっている。

 ※D600で撮影した取材は関連記事を参照されたい。

ラインナップ中の位置づけで変わりやすいモードダイヤルだが、「U1」「U2」というユーザーモードが便利。初心者向けという感じはしない
モニター左のボタンも時代とともに変わるので、数年ぶりの買い替えだと慣れが必要
シャッターボタンの近くに録画ボタン。別の場所のスイッチで動画モードにしておかないと機能しないため、うっかり押しても大丈夫
軽量な単焦点レンズなどは組み合わせに最適
製品名 製造元 購入価格
D600 ニコン 16万5300円

(太田 亮三)