本日の一品

超フラット! 板状モバイルキーボード

 Bluetooth規格が順調に進化し、製品の多様化が進んでいる。最近では健康機器とスマートフォンをリンクする製品が多く見られ、Bluetooth関連市場はますますにぎわいを見せている。もちろん低消費電力対応製品だけでなく、引き続き従来のBluetooth製品も活発に売られており、筆者の趣味であるモバイルキーボード蒐集においてはとても喜ばしい状況だ。なぜなら市場が活発になると、変わった製品も出回るようになるからだ。今回紹介するのは、筆者の好物である、“変態”モバイルキーボードだ。

とてもユニークな入力方式、かつ、ユニークな配列のモバイルキーボード

 キーボードに対して“変態”という判断を下す基準は多々あると思われるが、サンワサプライから発売された「バックライトBluetoothキーボード 400-SKB036E」はその条件を満たしていると考えてよいだろう。

 ポイントは二つある。まず第一に、製品の最大の特徴でもあるフラットな盤面だ。全面がタッチセンサーになっており、物理キーが存在しない(電源スイッチなどを除く)。印字されている箇所をタッチすると、そのキーが入力される仕組みになっている。ご想像の通り、タッチタイピングはかなり難しい。一応、振動機能が付いているので、タイプしたという感触はフィードバックされるのだが、ホームポジションを維持することは困難だ。

 第二のポイントはキー配列。サイズの制限から窮屈さはあるものの、アルファベットや記号のキーなどは穏当な配列になっているように見える。しかし注目すべきはカーソルキーだ。上と左・右は最上段にあるのだが、下キーは、なんとファンクションキーを挟んで2段下(上から3段目)にある。

 モバイル機器で外付けキーボードを使用する動機のひとつとして、テキスト編集作業がある。その際にはスマホやタブレットのソフトウェアキーボードにはない、カーソルキーが威力を発揮するのだが、本製品のこの配置はかなり戸惑わせてくれる。“変態”の認定要件を十分に満たしてると言えるだろう。

 ただし、上記は英語配列の場合。日本語配列の製品もラインアップされており、こちらは記号が上方に集中しているものの、比較的真っ当な配列になっている。

 欠点ばかりを挙げてみたが、フラットな形状と13mmの薄さはモバイルの場面で大きなメリットだ。269gという軽さもあり、鞄に無造作に放り込んでおける。外出時でなくとも、デスクトップマシンで使う際には、全面タッチパネルという形状を活かしてキーボードではなくトラックパッドとして使うこともできる。マウスの左右クリックのためのボタンも配置されているので、カーソル移動速度を調整しさえすれば、マウス無しでの運用も可能だろう。

“変態”モバイルキーボード蒐集欲求から購入してみたものの、思いの外、有用だったこの製品は、「変態」と「実用」をある程度両立させていると感じた希有なものだ。モバイルキーボードをお探しなら、候補に加えてみても損は無いだろう。

本体左側にはペアリングボタン、電源スイッチ、充電用USB端子がある
iPhone5とサイズ比較。13mmと薄く、天面がフラットなので鞄の中で邪魔にならない
製品名製造元購入価格
バックライトBluetoothキーボード 400-SKB036シリーズサンワサプライ6980円

ナカムラ