本日の一品

超小型プリンターで印刷しまくり、配りまくり状態へ

「LG Pocket Photo」

 昔はそれこそアルプスの「MD-2000J」というちょっと特殊な印刷方法のカラープリンターを買って、うほっ、いい品質……なんて意味もなく印刷物を眺めてニヤニヤしていたこともあったんだけれども、時代はインクジェット全盛になり、なんとなくインクジェットは気分的に合わなかった筆者は、そもそもカラー印刷が必要な作業が周りに存在していないことにも気づき、結局、自宅は安価なモノクロレーザープリンターで間に合わせてきた。

 ところがどっこい、LGエレクトロニクスが発売したスマートフォン向けプリンター「LG Pocket Photo」は、これまでのモノクロレーザー信仰をあっさり捨て去れるくらい、面白そうな製品だと思ったのである。PC用ではないので、用途・ジャンルからして全く異なる製品なんだけれど、とにかく、筆者にとっては18年前の「MD-2000J」の頃の興奮を思い出させるような、そんなカラープリンターなのだ。

 「LG Pocket Photo」は、文字通りポケットに収まるサイズで楽々持ち運びできる超小型のカラープリンター。ZINK Paperというインクリボンが一切不要な“Zero Ink技術”が採用されており、その専用用紙さえ用意すればプリント可能なのが特長。NFC対応で、スマートフォンをプリンター本体にかざすだけでBluetoothのペアリングが完了し、専用アプリ「LG ポケットフォト」を通じてサクっとワイヤレス印刷できるという、イマドキな連携機能もうれしい。内蔵バッテリーで稼働するので、充電しておけばいつでもどこでも使えるというのもステキなポイントだ。

スマートフォンと同じか、それよりも小さめの縦横サイズ
厚みが少しあるけれど、ポケットにはすっぽり収まる
NFCに対応し、かざすだけでBluetoothのペアリングが瞬時に完了
専用用紙10枚が最初から同梱されている
プリンター本体の充電はUSBで。カタログスペックでは満充電で稼働2.5時間、最大25枚ほど印刷できるという

 印刷品質は、PC用の最新フォトプリンターのような超高画質、とまではさすがにいかないけれど、ノスタルジー感のあるちょっぴり昭和な雰囲気(?)を思わせる仕上がりで、“オトナのプリクラ”的なテイストと言えるかも。用紙サイズが一般的な名刺よりひと回り小さい50×76mmで、これだと小さ過ぎるんじゃないかと思う人もいるかもしれない。でも、実際L判なんかで出力できたとしたら、なんだかサイズだけが立派すぎて、スマホ写真の手軽さからは縁遠くなっちゃうんじゃないかな、とも思う。

 スマホで集合写真を撮ったときに、その場ですぐに印刷して配れる、というのも便利だし、記録用のスナップを紙に印刷して残してアルバムに綴じたい、というような時にもぴったり。単純に写真を印刷するだけでなく、専用アプリ上で画質調整や文字入れをしたり、URLやテキストなど各種情報を含むQRコードを一緒に印刷することもできるので、お店の宣伝用カードとか、プライベートの名刺代わりに使えそうなのもいいところ。他の画像編集アプリでレタッチしたものも印刷でき、好きなだけ写真で遊びまくれるだろう。そういった意味では、バンバン配れるこれくらいの小ささがやっぱりちょうどいいのでは?

雰囲気のある印刷品質。小さくてもディティールまでくっきり再現されている
専用アプリ上で文字やQRコードを入れることも可能
スナップ写真的に子どもの成長記録を残していくのにも便利だ

 ランニングコストはというと、専用用紙30枚入りのパックが1580円くらいなので、プリント1回あたりはだいたい52円。うーん、ちょっと高いかな、と思いつつも、この使い勝手の良さからは離れられない……。

製品名製造元購入価格
LG Pocket Photo PD233LG Electronics Japan1万5800円

日沼諭史