本日の一品

丸洗いできる! かわいい「ウォッシャブルキーボード K310」

ロジクール ウォッシャブル キーボード K310

 例えばPCを食卓に設置したい時、あるいはキッチンに、また子供達に使わせたいと考えた時。考えられる事態は、料理をこぼす、水をこぼして濡れる、はたまたチョコでベタベタな手で触られる、などなど。簡単に汚れることが予想されるシチュエーションでのPC利用に、ある程度の対策は必要だ。特に直接手を触れるキーボードなら尚更である。そんな少し特別な場面で無くとも、世には「コーヒーをキーボードへぶちまける」という大惨事は後を絶たない。

 そこで「汚れるなら丸洗いすればいいじゃない」と斬新なコンセプトを打ち出した製品が、ロジクールの「ウォッシャブルキーボード K310」(以下、K310)だ。

 K310はUSBの有線キーボードで、大きさは幅430mm、奥行140mm、高さ19mmと、フルキーボードとしては若干小振りである。パームレストは無い。キーレイアウトはWindowsキーを左に1つ、ファンクションキーと組み合わせて使うFNキーを右に1つ加えた構成だ。キーストロークは気持ち浅めだが、固めの感触で、個人的には及第点。フレームを廃しキーだけとしたデザインは、見ためが似たり寄ったりになりがちなPCキーボード製品の中でユニークなルックスと言えるだろう。キーを含めない本体だけの高さは実測13mmと薄く、実際に取回してみると、一枚板にキーがしっかりと貼り付いているような感触で、とても扱いやすい。

  K310は「防水」とはされていない。ニュースリリースには「液体をこぼしても、汚しても、洗い流せるフルサイズキーボード」となっている。水に濡れたままの使用は推奨されていないので、避けた方が無難だろう。

 洗浄は、取扱説明書によると「付属するキーボードブラシ、食器用洗剤と柔らかい布を使って洗うこと」とある。食器洗浄機(食洗機)は利用不可で、深さ30cm以上の水に沈めないこと、ケーブルは水に浸さないよう指示されている。洗浄後は洗剤が残らないように水で洗い流した後、乾いたタオルで良く拭き取り、8時間の自然乾燥が推奨されている。

 実際に洗ってみると、フレーム無しのデザインが大きく効果を発揮し、水切れが良く、キーとキーの間の清掃も格段に楽だ。毛髪やゴミがキーの奥に入り込んでしまう事態は、この製品では少ないだろう。作業後に一晩乾燥させて使用してみたが、もちろん問題なく動作した。

 この製品を使用してみて感じるのは、丸洗いできることも含めた総合的な扱いやすさだ。素材は丈夫なプラスチックが採用されており、フレームの無いシンプルな構造もあって、一般的なキーボードに比べ、破損の不安も少ない。筆者はK310をゲーム機に接続してオンラインRPG用として使用しているのだが、リアルタイムプレイであるがゆえ、ちょっとお行儀の悪い扱いをする場合がある。それでも問題なく動作しており、以前使っていたキーボードに比べて、とても気軽に扱えるのが嬉しい。軽く薄く頑丈で、多少は雑に扱える「日用品」としての安心感がこの「K310」にはある。そして、汚れたら洗ってしまえば良い。

 長時間のタイピングに向くとは言いがたいが、それ以外の軽作業かつ汚れがつきやすい生活環境にはうってつけであり、多少のタフさが求められるような労働作業の現場にも最適だろう。また、実売2000円代というコストパフォーマンスの良さも魅力だ。

 惜しむらくは、無線対応ではないこと。無線ならばこの製品の取り回しの良さは更に高まるだろう。薄さ、軽さ、価格との折り合いがつけば是非実現してもらいたい。

 最後に、筆者はこの異質なデザインも好みだ。店頭ではじめて見つけた時は「かわいい!」とつい声に出てしまった。おもちゃっぽいルックスが実にたまらない。購入の決め手は、ほかには無い、かわいいらしいデザインだったのである。本当は「丸洗い可」であることに、後から気付いたほどである……。今後、ロジクールには是非、本製品のカラーバリエーションを増やしていただきたい所存の筆者なのであった。

MacBookライクなアイソレーションタイプのキートップ。周囲にフレームがないため独特なルックスに
底面は一面ブルーで、付属のブラシの収納場所も。乾燥時の通気を良くするためにスリットがある
簡単にキーのあいだを掃除できる
ケーブルの洗浄は不可、コネクタはキャップが保護する
持ってみると本体の薄さを強く感じる。小さな島のように並ぶキーがかわいい
気にせずジャブジャブ水洗いできるのが楽しい
製品名製造元購入価格
ウォッシャブル キーボード K310ロジクール2343円

はやしだ