本日の一品

ワイヤレスでメカニカルな小型キーボード「Majestouch MINILA Air」

「Majestouch MINILA Air」使い慣れた日本語配列版を購入

 およそ10年間、仕事の相棒として使用してきたキーボードがついに壊れた。つるつるになったキートップは長年の酷使を物語っていて、思わずしみじみ……などと、感傷に浸っていられないのが悲しいところだ。すぐに代替機を探さなければ仕事にならない。

 そんな事情もあり、9月に発売されたダイヤテックの新製品、FILCOブランドの「Majestouch MINILA Air」を導入してみることにした。今回は本製品の使用感についてご紹介させていただきたい。

 「Majestouch(マジェスタッチ)」シリーズといえば、メカニカルスイッチを採用した独特の打鍵感が特徴的なキーボードで、筆者の周囲にもファンが多い。本製品はシリーズのラインアップの中でも、一際コンパクトな「MINILA」モデルが「Air」の名を冠してBluetoothワイヤレスキーボードになったものだ。メカニカル・コンパクト・ワイヤレスと三拍子揃えられては、興味が沸かないわけがない。

 筆者がキーボードに求める要件は3つ。キーボードのすぐ右横にマウスを置けるようにコンパクトであることと、Aキーの左横にCtrlキーが配置されていること。あとはそこそこ打鍵感が心地良ければそれでいい。本製品はどうだろうか。

 「Air」のコンパクトさについては一目瞭然だ。ファンクションキーとテンキーおよび方向キー周りを大胆にカットしているあたりは、PFUの「Happy Hacking Keyboard」シリーズを彷彿とさせる。HHKと比べるとほんの少し本製品のほうが大きいのだが、A4用紙タテ半分程度というサイズは十分コンパクトで、右横にマウスを置いても何の支障もない。

 次にCtrlキーの位置だが、これは初期状態では標準的なキーボード同様、左下に配されている。しかし本製品はディップスイッチで「CapsLockキー」と「Ctrlキー」を機械的に入れ替えることができる。しかも交換用キートップ(およびキーを安全に付け外しするための道具)まで付属している。

 そして打鍵感である。「Majestouch」シリーズは、キータッチの感触別に、茶軸・赤軸・黒軸・青軸という4つのラインアップを取り揃えている。筆者は初心者向けと評判を聞いた「茶軸」にしてみた。その打鍵感は柔らかすぎず硬すぎず、音に例えるなら「スココココ」という感じのヌケの良いもので心地よい。筆者は満足しているが、打鍵感の好みは個人差があるので、興味がおありなら実際に店頭等でお試しいただくのが良いだろう。

付属品の交換用キートップと、キー取り外しを安全に行える専用の道具。早速CtrlキーとCapsLockキーを入れ替えた
Majestouchシリーズは打鍵感によって異なる四色の「軸」が存在する。筆者が購入したのは「茶軸」で、名前の通りキーの下の軸が茶色い

 一方、懸念に感じていたのが打鍵音だ。メカニカルキーボードは「ガチャガチャガチャ!」といった騒々しさを伴う印象が筆者にはあり、少なからず周囲に気を使う職場で使用して良いのだろうかと恐れていた。しかし、この心配は杞憂に終わった。本製品の打鍵音は、さすがに無音とは言わないまでも、さほど騒々しさを感じさせないと筆者は感じた。もちろん力を込めればそれなりに大きな音はするものの、それはどんなキーボードでも同じだ。なるべく軽やかなキータッチを心がけていきたいと思っている。

 Bluetooth接続のワイヤレスキーボードとしての機能はどうかというと、3つまでペアリング先を登録でき、また当然のようにiOS/Androidのスマートフォンやタブレット機器と接続が可能となっている。届いて早々、iPhone 5に接続してみたが、認識も入力も特に問題はなかった。ただし、接続先の切り替えを行うには、電源を切る/Bluetooth接続をオフにするなどして接続を解除する必要がある。

 総評すると、筆者にとっては満点のキーボードである。1万3000円という価格は多少高価に感じなくもないが、この高級感と利便性をもってすればむしろ安いとすら思う。長持ちさえしてくれるのであれば、この先10年は、本製品と一緒に歩んでいきたいものである。

背面に電源スイッチやディップスイッチ、コネクトボタン等がある。単三電池2本で約半年間稼働するという
MacBook Air 13インチとの比較。横幅はほぼ同じくらいの大きさ
10年間使ったHHK Lite2との比較。若干MINILA Airのほうが大きい。それにしてもこのHHK、ツルツルである
製品名製造元購入価格
FILCO Majestouch MINILA JP68キー茶軸ダイヤテック1万3590円

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