本日の一品

ふつうのWindowsが使える8型タブレット 「Miix 2 8」

 この冬、ホットなアイテムといえば8インチサイズのWindowsタブレット。新しいAtomプロセッサーで……という説明は見飽きたと思うので語らないが、パフォーマンス的にも不満なくふつうのWindows 8が手のひらサイズで使えるということに自分も興味を覚え、安価な価格の中では先陣を切って登場したレノボのMiix 2 8 を予約の上初日買いした。

画面さえなければ、何の変哲もないタブレット。ただし、流行の7型AndroidタブレットやiPadたちとはサイズ感が違う

 前評判どおりのパフォーマンスは数日間使っても全く不満なし。ソフトウェアの起動やWebブラウズにも問題なし。メモリーが2GBなので複雑なソフトウェアの起動に時間がかかるときもあるが、それさえ我慢すれば問題なし。心配した空き容量も購入したのは64GBタイプだが、筆者の使う最小限のソフトウェアやデータを入れて残りは28GBほどとなっている。

 使っていて差を感じることは、iOSやAndroidを使っているとWebブラウズ時に自動的にタブレットやスマートフォンのページに誘導されてしまうことがないこと。小さい画面用に編集された画面は文字が大きめで見やすい上、広告が少なく情報がある程度選別されて見やすいが、全情報を見ていないというもやもや感が残っていた。設定でPC向けページを見るようにすればよいが、毎回設定する必要やプラグインの都合で、すべて見れないという面では、タブレット向けOSのもやもや感は拭えない。

結局デスクトップを使ってしまい、外付けキーボードなんかも使ってしまう。WebサイトもPC向けページが表示されるのでまさにPCだ。

 その点、Windowsタブレットはパソコンそのものだからあたり前なのだが、Webの情報をフルにアクセスできる点は従来のタブレットにない体験だ。そして、プラグインも含めてパソコンそのものなので、大ヒット中のブラウザゲーム「艦これ」はもちろん、パソコンのブラウザだけを想定したWebサイトにも問題なくアクセスできる。例えば業務でセキュリティ証明書の必要なページのアクセスがある場合でも問題なし。“提督”ではないビジネスパーソンにも便利なことが山ほどあるのだ。

 また、他のOSのタブレットなら印刷をするために対応プリンタを選んだりと大変に面倒だったが、Windowsタブレットなら市販のほとんどのプリンタに対応する。マウスを使ってWebからテキストのコピペも簡単。まさにふつうのパソコン万歳なのである。

 8インチの画面も慣れれば小さく感じることはなく、Webブラウズに支障なし。Internet Explorerなどデスクトップモードでもタッチ対応しているWebブラウザなら、必要に応じて細かい部分をピンチインで拡大すればよいのだ。

 この画面で作業をしたあとに低い解像度の15.6型ノートPCを使うと、画面が逆に大きすぎると感じてしまうほどだ。このほかにも電池の持ち、発熱、画面が小さいゆえに反射が気になりにくい点など、良いところをあげればキリがないくらいだ。

インターフェイスと呼べるものはこれだけ。充電も外部USB接続もすべてここから
付属のACアダプターと自分で用意した細いUSBケーブルで利用

 しかも筆者の購入価格4万7800円で「Microsoft Office Home and Business 2013」が入っているのも魅力。単品で購入すると3万円近いソフトが入っている。もうみんなふつうのPCを買うのをやめて、5万円以下の8インチタブレットでいいんじゃないか? と言いたくなってきて、会う人会う人に良さを説いてしまうくらいだ。

 そんな便利な8インチのWindowsタブレットだが、便利さに慣れるともっと欲を出して贅沢な欲望が起きてくる。できればLTEでも3Gでも通信機能を一体化して欲しいし、USBポートがUSBホストケーブルを使って接続するしかなく電源アダプターと排他になってしまうこと、SDカード対応がmicroのみで、カメラからのデータ移行には別の何かが必要なことなどが不満に思えてくる。サイズの問題も、あとほんの少し幅がスリムになってくれれば持ちやすいのにとも思えてくる。

MicroSDカードスロットもあるが、厚みが苦しくても普通サイズのSDだとありがたかった
横のボタンは電源と音量の上下だけ

 今後、8インチサイズのWindowsタブレットは発表済の東芝、エイサー、デルの他にもまだまだ登場する可能性がある。筆者は早く手に入れたことで満足しているが、あとで後悔しないためにも、購入前に発売予定まで含めた各機種のスペックを詳しく調べた上で自分の使い方や予算に十分マッチしたものを選んでもらいたいと思う。

裏面はインテルシールやWindowsシールと、なぜかシリアル番号などもシール。つるつるすべすべな表面なので立て掛けるためにスタンドやケース類は必要
製品名製造元購入価格
Miix 2 8レノボ・ジャパン4万7800円

江須田