本日の一品

11ac対応「AirMac Time Capsule」でどれくらい速くなったか

「AirMac Time Capsule」

 今は下火になってしまったけれど、自作PC全盛の頃はCPUの高速化とOSの負荷増の競争に熱くなって、最新パーツにありったけのお金をつぎ込んだものだ。インターネット回線も、かつてはWebコンテンツがテキスト主体から画像主体になる過程で、アナログモデムからISDN、ADSLへと進化し、重かった表示がサクサクになる変化にはものすごく興奮した。でもこの頃は、ゲームをしていないせいかPCのスペックで不満に思うところは少ないし、読み込みが遅くてストレスになるほどのWebコンテンツの肥大化もあまり感じない。でも、つい最近無線LANルーターを「AirMac Time Capsule」に入れ替えたら、なんか当時の感動を思い出してしまった。

 ネットワーク機器の昨今のトレンドは、IEEE802.11ac(以下11ac)という、IEEE802.11n(以下11n)に比べて数倍高速化する無線LAN規格に対応した製品、らしい。11nでは最大300〜450Mbpsで通信可能としている製品が多いが、11acでは最大1300Mbpsというギガビット超えの通信速度を実現する製品がいくつか発売されている。Appleの「AirMac Time Capsule」もその1つ。当然ながら理論値なわけで、実際にギガを超える速度が出るわけではないけれど、ぼちぼち一般家庭もギガビットの光回線を導入できる状況になってきたことを考えると、今そうでなくても将来を見据えてボトルネックになりそうな部分は極力排除しておくのがいいと思っている。

背面にはギガビット対応のLANポート3個とWANポート、デバイスサーバーとして使えるUSB 2.0ポートも1個備える。USB 3.0ではないのがやや残念

 そういうわけで、自宅が一応ギガビットの光回線になっている筆者も、11acルーターをずっと探していた。ただ、11ac対応ならビームフォーミングという端末の場所に合わせて電波の届き方を最適化する機能を備えていて欲しいし、せっかくなのでNASの機能も一緒になっていて欲しい。そんなわがままな要望に応えてくれる製品がなかなか見つからなかったところ、2013年6月に発売された新しい「AirMac Time Capsule」が、NAS&11ac&ビームフォーミング対応であることに今さらながらに気づき、即ポチッたのである。Macユーザーとしては、バックアップを自動化できるTime Machineに対応している点も大きなポイントだ。

アンテナを高いところに設置するためか背の高い筒形になっているが、MacBook Airと比べるとそれほど大きくは感じないかも

 ちなみに「AirMac Time Capsule」は、どちらかというとNAS機能やTime Machine対応の方がメイン。純粋に11acルーターが欲しいのなら「AirMac Extreme」を選んだ方がより安価に高速無線LANを実現できる。

 で、「AirMac Time Capsule」に入れ替えてどれくらい高速化したのかというと、「Webにアクセスした瞬間にわかる」ほどに間違いなく速くなった。どんなWebサイトにアクセスしても「シャキッ」「パキッ」という具合に表示してくれる。実際に数値上でも高速化したのか確かめてみたところ、以下のような結果になった。自宅は木造2階建て。ルーターは回線の引き出し口の都合で2階の隅に置いてあり、1日のうち最も長い時間を過ごすそのほぼ真下、1階のリビングで計測している。

計測には、MacBook Air上ではRBB Todayの「GIGA Speed計測」を使用。ARROWS NX F-01F上ではアプリ「RBB TODAY SPEED TEST」を使用した
MacBook Airでのリンク速度は“1Gbit”という表示。ビームフォーミング対応だが、その効果を検証することはできなかった
11ac対応のARROWS NXでのリンク速度は433Mbps。アンテナは1×1ということのようだ。ドコモに確認したところビームフォーミングは非対応。測定値は200Mbpsを超えることもあったが、計測アプリがギガビットに対応していない可能性があり、正確な値にはなっていないと思われる

 これまで使っていた11n対応のルーターは、最大300Mbps(2.4GHzのみ対応)というスペックで、実際の通信速度も40Mbps近く出ているにもかかわらず、なぜかYouTubeの動画が頻繁にバッファリングしたり、Gmailのメール一覧を読み込み中にエラーになったりと、いちいちストレスが溜まっていた。ところが、「AirMac Time Capsule」にしてからそんな現象は1つもなくなって、別次元の快適さ。11nから11acに変わったことだけでなく、2.4GHzから5GHzになったことも少なからず影響しているかもしれない。

 それまでは自宅でも外でも、だいたいは同じような11n程度のネット環境で、「そんなもんかな」とあまり気にしていなかったのだけれど、Webコンテンツは確実に重くなっていることに改めて気付かされた。「どうせ光回線でも最大100Mbpsなんだから、それ以上にLANが速くなっても意味はない」とはよく言われること。でも、特に2.4GHzの場合は、ベンチマークで見た目の速度は出ていても、電波干渉などで安定して高速通信できるわけではないことを頭に入れておきたい。11nで思ったように快適に通信できていない気がする人、もしくはWeb表示がもっさりしていて「PCのパワー不足かな?」と感じている人は、ぜひ一度ネット環境を見直してみることをおすすめする。

製品名 販売元 購入価格
AirMac Time Capsule - 2TB アップル 2万9800円

(日沼諭史)