本日の一品

毛筆感がヤミツキ! 気軽に習字ができる筆タイプのスタイラスペン

 小さい頃に習字を習っていた筆者は、時折、無性に筆を手に取りたくなる。あの和筆の弾力や墨のにおい、1つの文字に精神を注ぎ込む感覚……なつかしいと思うものの、たいていは妄想して終わり。道具を広げて墨を入れてという準備にかかる手間を思うと、必要にかられないかぎり習字セットを広げる事はない。もっと気軽にあの感覚が味わえればいいのに! ということで入手してみたのが、先端が毛筆になっているスタイラスペン「hakuraの筆ペン」だ。

ペン先は和筆のように丸みを帯びた形になっている。ディスプレイに触れたときの感触が心地いい
サイズはiPhoneより少し小さいくらい。丸みを帯びたユニークなグリップ形状だが、これが実に持ちやすい
キャップ側にストラップが付いていてるので、使用の際にはストラップの長さに縛られることがない

 サイズはキャップを付けたままの状態で約12cmと、iPhoneよりも少し小さいくらい。イヤフォンジャックに装着できるタイプのストラップが付いていて、持ち運びに便利だ。ボディが少し太めで丸みを帯びたフォルムになっており、グリップ感もバッチリ。手になじむ感覚は習字をするときの大事な要素である。

 推奨アプリの「Zen Brush」(App Store:300円)を使用して書いてみたところ、通常のスタイラスペンを使用したときよりもトメやハネの部分が滑らかに描けた。筆圧の検知ができるように、特殊な電動繊維を使用しているからだろう。そしてなんといっても、ペンをディスプレイに降ろしたときの弾力がクセになる! 「毛筆感、極まる。」というパッケージの文字は伊達ではない。この微妙なタッチの筆先は、「Zen Brush」のアプリだけでなく、油絵や水彩画のアプリでも活躍してくれる。

左が「hakuraの筆ペン」を使って、右が先端がゴムのスタイラスペンを使って書いた文字。筆の入り方やトメの部分の滑らかさが異なる
「Zen Brush」は背景の種類が豊富で、それに応じて墨の色も変化する。墨の濃淡が3種類あるので、薄くにじませて水墨画風の絵を描いたりすることもできる
ペイントアプリ「Layers」を使用して油絵風のイラストを描いてみた。色のかすれやぼかしをかけるときにも筆ペンだと実際の絵画のような仕上がりになる

 久々の筆の感覚に気分が高揚し、筆先で手のひらをなぞったりして存分にその感触を楽しんだわけだが、後になって筆先に皮脂が付いたのではと気づいた。しかし問題ない。このペン先はぬるま湯や中性洗剤で洗えるのである。

 タッチパネルのデバイスが増え、筆文字や絵画といった本来アナログでしか楽しめなかったジャンルもスマホアプリで実現できるようになってきた。それをより深めるべく様々なスタイラスペンが登場してきたが、使いたいときにすぐ使えるこの「hakuraの筆ペン」は、筆という特異性に頼ることなくユーザーの使い勝手にもきちんと配慮した製品に仕上がっている。

製品名製造元購入価格
hakuraの筆ペン柏楽2950円

小林邑子