本日の一品

電池不要で傾斜を常時表示してくれるアナログ勾配計

自転車向けアナログ勾配計はどうやらこのアイテムしか存在しないようである

 ちょっとサイクリング用にとクロスバイクを購入した筆者。最近は何を思ったのか、峠へ繰り出して自転車を走らせている。そこで気になるのが、その坂の勾配である。勾配を図ることのできるサイクルコンピューターも発売されているのだが、値段が高いために購入を見送っていた。そんな中、よく行くサイクルショップで発見したのが「Sky mounti 勾配計」である。

計測バー部分には液体と気泡が入っているのは水平器と全く同じ仕組み

 この勾配計は作りが非常にアナログなのが最大の特徴だろう。勾配を計測するバー部分に水よりも粘度の高い液体が封入されており、その中に入っている気泡の位置によって現在の勾配目安を表示してくれる、それだけなのだ。

 「Sky mounti 勾配計」は2種類存在し、違いはハンドル取り付け部分の経が違う。マウンテンバイクやクロスバイク用の26mm経と、ロードバイク用の31.8mmである。自身の利用している自転車によって取り付けられるかどうかが決まるので注意したい。なお、筆者はクロスバイクに乗っているのだが、ロードバイク用を購入した。今後ロードバイクを購入した際に、勾配計の付け直しをするためである。

取り付けは木ネジ2本で行うが、ネジの精度が良くないので他の取り付け方法に変更して欲しい

 取り付けには、2本のネジを利用する。プラスチックの本体に直接木ネジを回す仕組みなのだが、おそらく何回も取り付けや取り外しをすることで壊れてしまいそうである。
できれば、ここは金属製のネジ穴と自転車の整備でよく利用される六角レンチ(アーレンキー)での固定、または結束バンドでの固定にして欲しいと感じる。
また、パッケージに封入されていた、ハンドル部をキズ付けないための小さなゴムマットはペラペラかつツルツルである。ここは100円ショップで購入した滑り止めシートに変更した。

 取り付けた後の調整だが、超アナログアイテムなので、当然ながらセンサーなどは存在しない。調整では、おおよそ水平と思われる場所に自転車を持って行き、気泡が中心部分に来るように角度を合わせることとした。また、自転車を180度方向転換させ、気泡の位置が変わっていないことでヨシとしている。厳密な精度というよりも、雰囲気を味わう、勾配の目安にするというアイテムなので、この程度で良いのだ。

この勾配計は自転車のハンドル部分に取り付ける

 愛車に勾配計をセットして実際に走らせてみたところ、封入されている液体の粘度が高いのか、自転車走行での振動で気泡が大きく揺れてしまうということは無かった。しかしながら、加速や減速によって中身の液体が動き、そのために水平な場所でも勾配を計測することが多々あるので、やはりここは雰囲気アイテムだということだろうか。勾配自体は上りで最大27%まで、下り最大15%まで計測することができる。しかしながら、私のような貧脚では18%を超えると足を着いて歩いてしまうので、残念ながら27%までは必要ない。ロードバイクを本格的に嗜んでいる峠自慢には必要なのだろう。

 ちなみに、この雰囲気アイテムであるが、実際に坂を上る際の目安として非常に役だった。「うわー、こんな坂、上れそうにないぞ」というような坂であっても、計測してみると実は10%も無いことがわかり、精神的に余裕が生まれてくる。また距離の長い峠などではペース配分に役立つだろう。

 正確性については、Web上で地図の場所の勾配を表示するサイトと照らしあわせても、1~2%程度の誤差はある。したがってアナログゆえに正確性は難ありだが、常に勾配表示、電池不要、カンタン設定、比較的安価である。このアイテムは峠や坂を上るサイクリストかつデジタルな勾配計をつけていない人にオススメしたいと思う。

計測には停止した状態で行い、かつ視線の角度によっても目盛りが変わってしまうので多少の慣れが必要
この坂で斜度は約3%だ

 文中で何度か出てきている勾配や斜度というのは、100mの距離で何メートル上がるかというもの。例えば100mの距離で高さが10m上がった場合は、そこは斜度10%ということになる。シティサイクルやママチャリと呼ばれる自転車で楽に上れるのはおおよそ4%程度、ロードバイクで楽に上れるのはおおよそ7%程度であると言われている。私は5%が続くとお腹いっぱいである。

斜度6%程度の坂でも長距離上ることでここまできれいな景色の場所まで行ける
製品名購入場所購入価格
Sky mounti 勾配計シクロパビリオン1769円

布施繁樹