本日の一品

簡単にゲーム画面を動画で残せる「HDゲームキャプチャーBOX」

 YouTubeやニコニコ動画などの動画投稿サイトにはユーザーが投稿したいろいろな動画があるが、ゲームのプレイ画面の動画というのもけっこう人気があり、ジャンルのひとつとして定着している。本来、ゲームの動画を無許可で投稿することは、著作権的に問題があるのだが、最近は指定された方法での動画投稿を公式に許可しているゲームも増えている。とくにネタバレになりにくいオンラインゲームでは動画投稿できるタイトルが多い。

 ゲームの動画を投稿するには、当然だが、ゲームの画面を録画する必要がある。一部のゲームやゲーム機には録画機能が搭載されているが、たいていの場合は自ら環境を整える必要がある。

HDゲームキャプチャBOX

 パソコンの場合、動画キャプチャのソフトを使えば、比較的安価に録画環境が整うが、動画キャプチャはCPU負荷とストレージアクセスを伴うので、そこそこのマシンパワーが必要だ。しかしラトックシステムの「HDゲームキャプチャーBOX REX-HDGCBOX1」(以下、キャプチャーBOX)を使えば、パソコンのマシンパワーを消費せず、簡単にゲーム動画を録画できる。

 このキャプチャーBOX、HDMIもしくはコンポーネント端子で入力された映像をSDカードに動画ファイルとして保存する機能がある。HDMIはパススルーしてくれるので、単にパソコンとディスプレイの間に接続することで、従来の環境のまま録画できる。あとは映像を保存するSDカードを挿入し、電源となるUSB端子を接続するだけ。録画準備が整ったら、本体のボタンを押すと録画が開始される。かなり簡単だ。

上面に録画の開始・終了ボタン、側面にモード切替スイッチがある

 入力信号がフルHDなら、そのままフルHD解像度で録画できる。録画ファイルのフォーマットはAV機器などで使われているM2TS形式で、ビットレートは約15Mbps。1分あたり110MBくらいの容量になる。連続して長時間の録画をしたいときは、それなりの容量とアクセス速度のSDカードが必要で、録画ファイルはこまめにパソコンに移すことが推奨される。SDカードは32GBまで対応するが、64GBのSDカードには対応しないので注意が必要だ。

 ビットレートが大きめなだけに画質はかなり良い。動きの激しいシーンでもブロックノイズで見づらくなることはない。動画投稿サイトに投稿するときは、編集してH.264などで再エンコードする必要があるが、元画質が良いので、画質の劣化は最小限で済む。

 キャプチャーBOXをUSBでWindowsパソコンと接続することで、録画ファイルをパソコンに保存したり、UstreamやTwitch、ニコニコ動画にライブ配信することもできる。この場合、録画するパソコンではマシンパワーを消費してしまうが、ゲームをプレイするなどの録画されるパソコンと、録画するパソコンを2台用意することで、負荷を分散することも可能だ。

 パソコン以外のHDMIでも使えるが、当然のことながら、コピーガード(HDCP)のかかったHDMIは録画できない。PS3やスマートフォンのHDMI出力はHDCPがかかっているので録画は不可能だが、PS3はコンポーネント端子で接続すれば録画できる。また、XboxシリーズやWii UのHDMIはHDCPがかかってないので録画可能だ。WiiはもともとHDMIがないのでコンポーネントで録画できる。ただし家庭用ゲーム機では動画投稿が許可されてないゲームがほとんどなので注意しよう。

 録画自体は非常に簡単だが、M2TS形式はパソコン上で編集・再エンコードする環境を整えるのには、そこそこのパソコン知識が必要となる。一応フリーソフトだけでも可能だが、このあたりはいろいろ自己責任となるので注意しよう。ほかの人に見て楽しんでもらえるくらいの動画となると、パソコンの知識だけでなく、映像編集のセンスも必要だ。

【ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア(HDゲームキャプチャーBOXによるサンプル動画)】

 今回サンプルとして掲載している動画は、キャプチャBOXで録画したファイルをフリーソフトだけで編集した。動画は「ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア」(パソコン版)で、真イフリートというボス戦闘の一幕だ。編集時に一部にモザイクをかけているほか、トリプルディスプレイ環境の中央の1画面だけをキャプチャしているためUIも一部しか映っていない。

 視聴時のフォーマットは視聴環境によるが、編集時の再エンコードはH.264形式で元ファイル以上のビットレートにしている。これでも再エンコードでの画質劣化は避けられないものの、炎のエフェクトでもブロックノイズはほとんど出ておらず、画面上を流れる文字もちゃんと判読できるなど、キャプチャBOXの画質の高さがうかがえる。

 ネットに投稿しなくとも、ゲームのプレイ動画を残しておくのは意外に楽しい。とくにファイナルファンタジーXIVのようなオンラインゲームだと、ほかのプレイヤーとの連携が上手くいったり、逆に大失敗したりと、プレイごとにさまざまなことが起きるので、それを後で見返せるというのが楽しい。プレイ中には気がつきにくい自分のクセなども動画ならば確認しやすいので、次回以降のプレイにつなげることもできる。ガッツリとオンラインゲームを楽しんでいる人は、キャプチャBOXを使って動画を残してみてはいかがだろうか。

Copyright (C) 2010 - 2014 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
※記載されている会社名・製品名・システム名などは、各社の商標、または登録商標です

製品名販売元価格
HDゲームキャプチャーBOX REX-HDGCBOX1ラトックシステム2万1000円

白根 雅彦