本日の一品

中国で見つけた意外と洒落た時計型USBメモリー

 言わずもがな、もはや多くのガジェットがメイドインチャイナだ。外国で日の目を見るメイドインチャイナもあるが、中国だけで売られ、まだ日本で見ぬ製品もある。中国でのIT系製品販売の主戦場は家電量販店でも秋葉原や日本橋のような電脳街でもなく、オンラインショッピングとなっている。

 しかし電脳街に面白いものがなくなったわけではない。アジア在住の日本人女性いわく、「現地のアパレルショップを歩き、無数の商品の中に、たまに宝が紛れ込んでいる」。電脳街もそうだ。歩けば歩くだけ、ふと、いいなと思えるものに出会えるチャンスが増える。

 筆者の感覚だと中国では日本よりも先に脱フロッピーディスクし、USBメモリーが普及したように思う。だからUSBメモリーは昔も今も大事なアイテム。電脳街の多くのサプライを扱う店でケーブル類やUSBメモリーを販売している。デザインにこだわったUSBメモリー専門店もある。日本だと薄さとか速さとかスマホでも使えるとかセキュリティに強いとかのUSBメモリーも売られるが、中国のUSBメモリーのこだわりのベクトルはデザイン方面に向かうようだ。

 NGな意味で著作権フリーな製品ばかりを扱うUSBメモリーの店が目立つが、筆者がおっ? と気になったのは(見た目)貴金属系USBメモリーを扱うショップの中のひとつのUSBメモリー。多くのUSBメモリーがキラキラ、むしろギラギラと自己主張する中、ひっそりとたたずむブラウンカラーのフクロウの時計型USBメモリーがすごく気になった。

キラキラより地味なふくろうが目立つ

 購入時はメーカー名は不明だ。後日ネットで「閃杰」というメーカーの製品だとわかる。店員も客もブランド名は気にせず、ただ気に入れば値段を聞き、提示してきた値段が気に入れば買う。筆者がその日電脳街を訪れたのは、夕方の6時くらいで店じまいの雰囲気だったからか、USBメモリーショップの店員に値段を聞いてみれば、店員が提示する価格もひどいぼったくりではなさそうな「8GBで40元(650円)」という価格を提供してきた。経験則でいえば、この手の無名といっていいメーカーの製品とは一期一会、出会えなくては2度と買えない。そこで即断即決、フクロウのUSBメモリーを買ったのだった。

ネット警察キーホルダー(警察署で買ったオフィシャル!)と一緒に愛用中

 時計が入っているものも、入っていないものも、一律で40元と言われたので、時計は飾りだと思っていた。しかし横のネジを回してみれば、時計は飾りではなくちゃんと動く嬉しい大誤算。念のため、一回フォーマットを行い(問題なく8GB相当の容量だった)、茶系のバッグにぶら下げて、データ保存用に、時に話のネタ用に、活躍したのだった。

 Amazon中国を見ると、まだ売っているようだ。しばらくは電脳街に行っても見つかる可能性はある。Amazon中国では、日本のクレジットカードも使えるし、ここからメーカー名で商品を探し出し、購入するという手もあろう。

裏にサイズが表記。スライドしてUSBメモリーを出す
製品名販売元購入場所購入価格
(不明)閃杰(シャンジェ)中国の電脳街40元

山谷 剛史