本日の一品

ハンズフリーを買うより、便利な1万円のBluetoothカーオーディオ

パイオニア(カロッツエリア)のMVH-590(取付前)

 ケータイの定額通話開始など通話に関するハードルが下がり、音声通話を見直している筆者。そこで自動車での通話もちょっと便利にしたいと思っていたところ、最近の高級車はBluetoothハンズフリーが内蔵され、簡単に通話ができるだけでなく、音楽再生にもそれを利用していることを聞いた。

 それと同じことをするには、超高額なオーディオ一体のナビゲーションでも買わないといけないと思っていたが、調べてみると意外や意外、1万円程度のオーディオユニットを交換するだけでBluetoothハンズフリーとスマホの音楽のBluetooth出力ができるということになっていた。

 Bluetoothに対応し、ハンズフリーや音楽再生に対応したオーディオユニットはパイオニアやケンウッドなどから発売されている。今回はハンズフリー的な利用が第一目的で、音質にこだわるつもりもないので、実売価格が最も手頃なパイオニア(カロッツエリア)の「MVH-590」を選んだ。この機種はCDドライブは搭載していないが、今や音楽を楽しむのにCDを車内に持ち込むような時代ではないので全く不便に感じない。

通常のカーオーディオに加えてマイクが付いている。リモコンもある
奥行きは通常のカーオーディオと同じパーツのためか同等サイズだが、中身はほぼ空っぽ

 入手したMVH-590を手に持つと非常に軽量。通気穴から中を覗くとほぼ空洞で基板が入っているだけ。空洞だらけのシャシーを使っているのは他機種とパーツを兼用しているためと思うが、機能が同等の上位機種、MVH-790は奥行きが極端に短くなっている。もし、取り付けスペースの関係でコンパクトなほうがいいならMVH-790も検討したほうが良いだろう。

 取り付けは一般的なカーオーディオの取付とほぼ変わらないが、違うのはマイクの取り付けとマイクコードを引き回す必要があること。マイクはクリップで止められるようになっており、サンバイザーに取り付けた。

 取り付けが済み、使ってみると予想外に便利だった。ハンズフリーとしてはもちろん、スマートフォンの音楽再生がカーオーディオからワイヤレスで聞こえてくる。従来もUSB接続やAUX入力によってケーブル接続で音楽再生できるものもあったが、ワイヤレスの便利さは予想以上。ポケットや鞄に入れたままでよいのでUSBケーブルを使う必要もない。

 音楽再生は簡単で、ペアリングが行われていればあとは勝手に再生してくれる。音楽プレーヤーソフトだけでなく、例えばradikoの音声をBluetoothで飛ばし、カーオーディオから聞くこともできる。一見、無意味なようだが、通常のカーラジオでは対応しないラジオNIKKEIや、有料版のradiko.jpプレミアムで他エリアのラジオ番組を聞くことも可能。半角英数なら番組名も表示してくれる。また、同乗者が動画を見る場合でも、設定さえすれば音声をカーオーディオのスピーカーで聞くこともできる。

クルマに装着。通常のラジオで聞くと番組名は出ないが、rajiko経由だと番組名も半角だけ表示してくれる
ペアリングが済むとBluetoothマークが点灯する
Siriは音量ツマミの長押しで動作する

 しかもiPhoneでは、このマイクを使ってSiriの音声入力も可能。操作もiPhone側でなくMVH-590のボリュームダイヤルを長押しすることで使えるので、iPhoneをカバンの中に入れておいても大丈夫だ。Siriを有効活用している人ならば、かなり便利なのではないだろうか。

 最後にあらためてコストについて振り返ってみる。良質なクルマ用Bluetoothハンズフリーが約5000円程度と仮定して、このオーディオは約1万円~プラス工賃。自分でできる人なら工賃はかからないがそれでも5000円以上の差はある。しかし、ハンズフリーユニットを別に置いたり配線をすることなく、スマートフォンの活用がグッと便利になることを考えると、Bluetooth対応オーディオへの交換もぜんぜんアリだと思う。

スマートフォンに入った楽曲の再生ができる
製品名製造元購入価格
カロッツエリア/MVH-590パイオニア1万500円

江須田