本日の一品

ダンボールメイドの鞄でモバイル可能な「エコチェア」

「エコ」(Ecology:生態学)という概念は簡単なようで意外と難しい。多くの企業はエコ対応商品と称していろいろな新しい製品を発売し、家庭でも”エコだから”という理由でさまざまな日用品を取捨選択している。

385gの超軽量モバイル椅子で100kgの体重の人を支えることができるらしい

 ”生態系の保全”ということが全ての根源のようではあるが、筆者個人的な意見は、所詮、とどのつまりは我々人類の未来をなんとか保全しようとする意外と身勝手な発想からのスローガンだと思っている。

 そんな”エコ”が接頭語に付いた”エコチェア”という商品がネット上のショップで発売されているのを見つけた。筆者の日常生活には今のところ差し迫った必要性はないのだが、その軽量性と耐久力に少し興味を持ってしまった。

 話題の商品はひとまず実際に買って使ってみないと気がすまない質の筆者は、エコチェアとやらを早速購入してみた。商品のキャッチコピーは「軽量なのに耐荷重約100kg」というものだ。

B5版のちょっと厚めの書籍サイズなのでモビリティは高い
拡がり防止のゴムベルトを外すだけで組み立ては超簡単

 配達されてきた商品を実測してみたところ、本体の重量は385g。これは昨今の8インチクラスのタブレットと前後する重量だ。軽いといえば軽いし、軽くはないと言えばそれほど軽いわけではない。

 いちばんの良さは、蛇腹型で小さく折りたたんで、どこにでも簡単に持ち歩くことができる点だろう。組み立てはいたって簡単だ。折りたたんだチェアを固定しているオレンジ色のゴムテープを外し、蛇腹構造のイスを両手で引き伸ばし、座面板(座る部分)を蓋の様にして先の折り返し部分を蛇腹の端っこに押しこめば完成だ。

実測携帯重量は385グラムなので、8インチクラスのタブレットとほぼ同じ
組み立ての第一段階は、蛇腹構造のエコチェアを両手で引き伸ばす
蓋のような座面の端の折り返しを蛇腹の端っこに押し込む
完全に押し込んだらエコチェアの組み立ては完了

 あいにく我が家に体重が100kgの人は居らず、実際に耐荷重テストはできなかったが、筆者(約76kg)が座っても全くビクともしない頑丈さではあった。組み立て完成時で地面からの高さが約25cmしかないので、イメージは東南アジアの露天などでよく見かける高さの低いスタックできるプラスティック製の椅子と近いだろう。

 素材が厚手のボール製なので、多少なりともクッション感覚があり、座り心地の改善に寄与しているようだ。外観カラーに関しては意見が別れるかもしれない。”おしゃれな木目調デザイン”と言うのが特徴の一つだが、筆者的にはもっとカラフルなメタリック系の原色のほうが、チープさを目立たせることがなく良いのではと思ってしまった。

 組み立て時よりも分解は極めて簡単で、誰がやっても数秒以下だろう。自宅の部屋で大人が座るというシーンはあまり想像できないが、この組立分解のスピーディさを生かしたアウトドアでの活躍は十分期待できそうだ。B5版サイズで385gであれば、殆どのカバンには収納可能なモバイルサイズだ。人気のレストランの入店待ちやスマホを買うための行列、野外でのスポーツ観戦などが最適の出番だ。

柳宗理のエレファントチェアと比較しても極めて高さが低く約25cmしかない
製品名販売元購入価格
紙でできた 折りたたみエコチェア富士パックス販売2000円前後

ゼロ・ハリ