本日の一品

心拍測定機能で、データを見るのがさらに楽しくなった「Fitbit Charge HR」

Fitbit Charge HR

 4月24日に発売された、Fitbit社の活動量計「Fitbit Charge HR」(以下、HR)。心拍測定機能付きのモデルということで、発売と同時に入手し、2ヶ月に渡って使ってみたので、その使用感をレポートしたい。

 HRは、歩数、消費カロリー、距離、階数、睡眠測定という従来のFitbitの機能に、心拍測定機能と着信通知機能、さらには睡眠の自動測定機能がプラスされたリストバンド型の活動量計だ。ディスプレイを持っており、ボタンを押すことで、日時、歩数、心拍数、距離、消費カロリー、階数、アラーム時間を表示するほか、表示部を2回タップすることで、任意の情報を表示させることができる。防滴仕様で(水濡れ、水没はNG)、充電には専用のUSBケーブルを使う。

筆者が選んだのはLサイズ。バンドは端までしっかり固定できる構造なので、巻くと外れにくく、かなりピッタリと装着することができる
側面にボタンが1つある
裏側には心拍センサーが

 心拍測定機能も着信機能もすでに珍しいものではなくなっているが、HRの連続使用時間は約5日間。つまり、心拍数を約5日間連続測定可能になっているのが大きなポイントだ。ディスプレイに心拍数を表示させ続けることはできないが、前述の2回タップですぐ見られるようにできるほか、アプリを起動すれば画面上で最新の心拍をチェックすることができる。

ディスプレイは小さいが見やすい
着信がわかるのは便利
充電は専用の充電端子を用いる。旅行時は忘れないよう注意したい

 睡眠が自動測定になったのは嬉しい改善だ。自動になったことで、計り忘れがまったくなくなった。測定精度も実際と大きく外れた感じはなく、かなりよさそうである。心拍数が連続測定できるため、いつ寝たかというのが分かりやすく、判定精度が向上しているのだろう。

結構しっかりしているため、装着してみると存在感がある

 心拍センサーやディスプレイがあるためか、これまでの同社の製品の中では、かなり大きな部類に入る。本体部分の幅はソニーのSmartBand Talkとほとんど変わらないが、バンドの幅が一定のため、装着時にはやや存在感を感じる。過去の製品が非常にコンパクトで、クリップタイプのものは腕時計に関係なく装着することができたが、これはディスプレイを持ち、時間を表示できるリストバンド型。それまで腕時計をしていた方には重ねづけに悩むサイズかもしれない。アプリ上で利き腕かどうかを選択できるので、違和感がなければ両腕に分散させてもいいかもしれない。

 ハード的な使用感で特に大きな変化はないのだが、心拍センサーが搭載されたことで、アプリにはユニークな表示が多数加わった。

心拍数はほぼリアルタイムにアプリでも見られる

 先にも触れたが、最新の心拍数をほぼリアルタイムに見られるだけでなく、それがどんなゾーンなのかを教えてくれるのは面白い。普通に歩いているときでも、それが脂肪を燃焼させ得る歩行なのか、ただのダラダラ歩きなのかが一目で分かるのだ。ウォーキングや駅の階段などで早歩きをすると「有酸素ゾーン」に入ることが多いのだが、見るとなんとかそれをキープしたいという気持ちが働くから面白い。

 心拍数の変動を1日または数日分を俯瞰で見られるところもいい。心拍数が脂肪燃焼ゾーンに入っている間は黄色く表示されるのだが、歩いているけれど、あまり効果的な運動になっていない? といったことが掴みやすいのだ。

過去の心拍数の動きを振り返りやすい
自分の心拍数ゾーンはアカウントで確認できる
6月20日の心拍数の変動。あ、あのときかな? などと思うのも楽しい

 6月19日~21日はバーチャルゲーム「Ingress」のイベントで仙台に行ってきたのだが、その間に心拍数が高い時間帯があったことがわかり、非常に面白かった。特に6月20日の、初戦開始と思われる時間帯には、心拍数が高くなっている。初めての参加で自分が役に立つだろうかと不安で、緊張しまくっていたことがまるわかりだ。作戦変更で移動を余儀なくされたところでは、心拍数が154に跳ね上がっている(走り続けた!)。あとからこういうデータで振り返るのも面白いものだ。

 Fitbitのアプリは「運動記録」モードにすることで、移動ルートをすべて記録することもできるが、HRを使うことで、さらに運動中の心拍数の変動と、消費カロリーの推移をチェックできるようになる。当然イベント中に作動させておけば、移動ルートの記録もしつつ、消費カロリーを算出できたはずだが、今回は諸事情により、プレイする端末とHRを同期する端末が同じあったため、バッテリーの消費を抑えるためにやらなかった。やっていたら、かなり面白いデータが取れたかもしれない。

睡眠サイクルが自動測定になったが、アプリの画面に大きな変化はないようだ
消費カロリーの推移も見られる

 それまでのFitbitのアプリは、数字をチェックして終わることも多かったが、心拍センサーがプラスされたことで、アプリを眺める時間が増えた気がする。見せ方もカラフルで楽しい。過去のデータと比較しやすいのも魅力で、歩数ともども、最近あまり動いていないな……などと反省するきっかけにもなっている。HRは、新たな気づきが得られる、使っても見ても楽しい活動量計といえるだろう。

 気になる点があるとすれば、バンドの大きさだろうか。やはり腕時計と重ねづけするには大きすぎるような気がするのだ。もう少し薄く、柔らかいと嬉しい。

過去のモデルと比べるとかなり大きい
製品名販売元購入価格
Fitbit Charge HRFitbit2万1060円

すずまり