本日の一品

安い!怪しい!絡まない!の3拍子そろったジッパー型イヤホン

「Dinosaur Driver」
誤字は微笑ましくはあるが、不安感は拭いきれない

 音楽が聞きたくなり、リュックに放り込んでいたイヤホンを取り出そうとすると、しまい方が良くなかったのかイヤホンケーブルがぐっちゃぐちゃに絡まっていて、面倒になって聞くのを諦める、というのを何度も繰り返してきた。結局、外では音楽をほとんど聞いていないのだけれど、何とかしたい。

 音質に強いこだわりはないし、そもそも「音の抜け」とか、「柔らかみのある音」とか言われてもよくわからない程度の耳の持ち主なので、絡みにくいことと安さ重視のイヤホンを探していた。そこで見つけたのが「Dinosaur Driver」。

 たった700円弱のお値打ち価格、そしてケーブルが絡まないギミックが面白そう。数日して手元に届いたパッケージを見てみると、「USB 2.0 フラツッコモリ」や「ホツトブフグ&フレィ対応」など、海外製品特有のアヤシイ日本語表記が目につく。大丈夫かこれ……。

 気を取り直して続けよう。本製品の特徴は、絡まないためのケーブルの仕組みだ。左右のイヤホンのボディから伸びる2本のケーブルには小さな“歯”がびっしりと並び、スライダーを上げ下げすると噛み合ったり離れたりする。見た目も機能もまさにジッパーそのものだ。ジッパーの開け閉めはわりとスムーズで、素材や作りはしっかりしている。見た目の第一印象は良くなかったが、これは良い買い物をしたかもしれない!?

スライダーを下げるとこのような見た目に
使用しない時はジッパーを閉じればケーブルが絡まることもない

 歯を噛み合わせた状態なら1本のケーブルになる。素材も固くクセが付かないので、ぐちゃっと絡まることもなくなるだろう。試しに乱暴にリュックに突っ込んだりして数日過ごしたところ、やはり絡まることはなかった。ただし、ケーブル全てがジッパー化されているわけではなく、プラグ部からマイク部までは普通のケーブルなので、この部分がねじれて絡まることはあるかもしれない。

プラグからマイクの部分までは一般的な形状のケーブルが使われている
イヤホンを着けたまま通話も可能
音質は意外と悪くない

 音質については正直期待していなかったのだが、外で使う分には気にならないクオリティだった。実際に使ってみて気になった点は、ジッパーを開け閉めする取っ手部分が揺れてケーブルに当たるたびに盛大なタッチノイズが聞こえること。なので、電車での移動中などじっとしている間は問題なく活躍してくれそうだけれど、ケーブルが揺れやすい歩行時に使うのは不向きかも。

 でも、音質にこだわりのない筆者にとっては、これで十分! 雑に扱っても絡まりにくいこのイヤフォンで、音楽を聞く機会は劇的に増えそうだ。

製品名販売元購入価格
G176 Dinosaur Driverユニットコム699円

藤縄優佑