本日の一品

1年中使える? 静音、省エネな真上に向けられるDC扇風機

トヨトミ DC扇風機「FS-D30FHR」
真上に風を送ることができる

 2011年の夏は、震災による節電のため扇風機が品薄となった。扇風機の電力は数十W。エアコンは数百Wから1000Wなので、扇風機による節電効果は高い。とはいえ、猛暑日ともなると扇風機だけでは耐えられない。その際はエアコンを弱めにし扇風機と併用すれば、エアコンでガンガン冷やすよりははるかに省エネとなる。

 筆者は昔から扇風機派で、エアコンを使用することはきわめて少ない。今まで使っていた扇風機はホームセンターで2000〜3000円で購入した物。名古屋で使用していた頃には不満はなかったが、川崎のオフィス兼住居は賃貸マンションで、フローリングの出来が悪く、扇風機の振動が床に伝わって発生する不快な音が気になっていた。

 昨夏、知り合いが東芝のDCモーター式の扇風機を購入、「静かでいいですよ」と高評価だった。実際、現物を見ると(聞くと)静かなのだが、購入価格が2万円越えと聞いて尻込みをしてた。1カ月ほど前、別の知人がアイリスオーヤマのDCモーター式の扇風機を5000円台で購入し「静かで快適」と聞き、「大金を払わなくても、DCモーターなら静かで快適?」と考え、真剣に扇風機選びを始めた。

 最終的に筆者が購入したのは、ストーブのメーカーとして有名なトヨトミの「FS-D30FHR」。選択の決め手は真上を向くことだ。真上に風を送ることができれば、冬場にサーキュレーターとして使用できる。春秋に短いオフシーズンはあるが、ほぼ1年中使用できると期待して購入した。

 「サーキュレーターって何?」と思われた方もいるだろう。サーキュレーターは部屋の上下の温度差を解消するための送風機で、冬季の暖房効率を上げることができる。以前サーキュレーターの効果を検証した際のグラフをお見せしよう。

 この検証はエアコン(暖房)の温度設定を25度、送風を下向きにし、床から15cm(最下段)、95cm(下段)、175cm(上段)、255cm(最上段)の温度変化を計測、開始から40分経ったところでサーキュレーターを稼働している。エアコンのみでは大きかった上下の温度差が、サーキュレーターを使用することで各ポイントの温度差が小さくなったことが分かる。

 サーキュレーターはその効果も大きいが、稼働した際の音も大きい。少なくとも筆者が使用してるサーキュレーターは常時稼働は避けたい音を発している。冬にならないと確認はできないが、この扇風機なら静かで大きな効果を発揮してくれると期待している。

 真上を向くこと以外の特徴は、9枚羽を搭載、切タイマー、入タイマー、風量調整32段階、タッチストップセンサーなどがある。タッチストップセンサーは羽の前後カバーの金属部に触れると一時停止、2秒以上触れていると停止する機能で、小さな子どもがいる家庭向けの機能だ。

 実際に使用した印象は「静か」。個人的な問題点だった床へ振動が伝わることもなく不快な音もなくなった。まさに期待どおりだ。

今まで使っていた扇風機とFS-D30FHR

 どれくらい静かなのか風速計、騒音計を使って調べてみた。結果は予想外のものとなった。今まで使っていた従来型の扇風機の風力調整は弱・中・強の3段階。それぞれの設定で風速をガード付近で計ると3.3、4.6、6.0メートルとなった。FS-D30FHRは32段階、ほぼシームレスに風速を調整できる。FS-D30FHRを同じ風速にすると32段階の13、19、29段目となった。

 計測は屋外の音が静まった深夜2時半。窓を締め切った部屋の中の音は騒音計の測定下限である30dB(A)と下限以下のLowを行ったり来たりなので30dB弱くらいだ。騒音計を風の当たらない真横50cmに設置し計測すると、ほんのわずかだが従来型の扇風機より、FS-D30FHRの方が音が大きいという結果となった。

従来型の扇風機36.0dB44.4dB50.5dB
FS-D30FHR37.0dB45.0dB52.0dB

 実際の音は音質も違うし、差も小さいのでFS-D30FHRの方がうるさいとは感じなかったが、数値を見ると予想外の結果となった。では筆者も知人も「静か」と感じたのはなぜか。その理由は細かな風力調整ができるからだと思われる。従来型の扇風機の弱はFS-D30FHRの13段目に相当する。ようするにFS-D30FHRは弱より下に12段階で風力調整ができるということだ。8段目の騒音は31dB、6段目の騒音はLow(測定限界以下)なので、風を弱くするとほぼ無音で動作する。

風力調整は32段階。16個のLEDがあり13段目は6個が点灯、7個目が点滅する

 参考程度に消費電力も測定してみた。従来型の扇風機と同じ風力にした場合、FS-D30FHRの電力は1/4〜1/3となった。この結果は期待していなかったので筆者には嬉しい誤算だ。

従来の扇風機22W30W44W
FS-D30FHR5W8W15W

 不満を感じた点は、扇風機を移動するときに取っ手を持つと、上下の向きが45度くらい上を向くこと。その都度水平に戻す必要があり少々わずらわしい。さらに言えば背が高いこと。冬にサーキュレーターとして使用するときに、床付近の冷気を天井に送ることを考えるともう少し背が低い方が良さそうな気がする。

 サーキュレーターとしての実力は冬にならないと分からないが、夏用の扇風機だけで考えても、期待どおりの静音と期待以上の省エネで満足できる一品となった。

製品名販売元購入価格
FS-D30FHRトヨトミ9590円

(奥川浩彦)