本日の一品

耐荷重2.5kgで一眼レフにも対応したミニ三脚「PIXI EVO」

 マンフロットのミニ三脚シリーズに新モデル「PIXI EVO」が追加された。テーブル上での利用を想定したと思われるミニ三脚シリーズで、これまではコンパクトデジタルカメラなどを対象としていたが、新しい「PIXI EVO」は耐荷重が2.5kgと大幅に強化され、一眼レフの利用もターゲットに入っている。発売された週にさっそく購入してみた。

マンフロット 「PIXI EVO」

 「PIXI EVO」のスペックを確認しておくと、全高が20cm、最低高が10.5cm、重さが実測で264g、耐荷重が2.5kgとなっている。カラーはブラックのモデルを購入したが、ブラックの部分がマンフロット独自開発という軽量なポリマー素材「ADAPTO」で、三脚自体の軽量化につながっている。銀色の、雲台内部のボールと脚の根元側の部分はアルミ製だ。脚の長さは5段階で調整でき、開脚の角度は2段階。自由雲台は縦位置撮影にも対応する。

 筆者が使おうと思っていたカメラの組み合わせは、ボディとレンズ、外付けのストロボ、ストラップという普段の組み合わせで、実測が2.499kgと、耐荷重の限界ギリギリの重さだった。レンズも比較的長いため、バランスの面でも三脚には厳しい条件だ。

 ミニ三脚を使う目的は明確で、仕事で発表会の取材をする際、テーブルに三脚を設置し、プレゼンテーションのスライドを、決まったアングルで、楽に撮影する、というもの。実際の取材にも何度が投入し、この三脚の良い所や課題がみえてきた。

耐荷重2.5kgなのに、とにかく軽い

 良い点はとにかく軽い点だ。2kgを超えるような一眼レフの重さに耐えられるスペックの三脚は、たいてい三脚自体の重さが800g〜1kg程度にまでなる。ミニ三脚と分類されていても、草花のローアングル撮影やマクロ撮影といった本格的な利用を想定しているからだ。雲台も一般的な三脚と同じ製品が組み合わされている場合が多い。ベルボンのウルトラ・ミニシリーズなどがそうだ。

 かくいう筆者も、ベルボンのマクロ撮影用のミニ三脚を、上記のような目的で取材に使い始めていたのだが、可能な限り軽くしたい取材道具の中で、重さがネックになっていた。「PIXI EVO」ならこうした“追加の重量負担”がかなり軽減する。取材でなくても、気軽にバッグに入れて持ち出せると感じた。

 「PIXI」シリーズならではの変な(?)使い方もある。一般的な三脚と違って三脚自体が軽いため、「PIXI EVO」をカメラに装着したまま移動できてしまうのである。脚の開き方を工夫して、カメラを手で構える際に、自分の肩や胸に三脚の脚をあてて安定させるといった使い方もできる。

雲台はやや非力、使い方でカバーしたい

 課題というか、使いこなしで少しコツがいるのは、三脚としての安定性に関する部分だろう。これは主に、雲台のボールからの伸びる軸部分の剛性が足りない点に起因する。

 簡単にいうと、2kgを超えるようなカメラを装着すると、ボールの軸部分からグラグラと揺れるのだ。雲台の付ける方向をビデオカメラのように縦向きにしてもあまり変化はない。当然だが長く重いレンズの場合は揺れが大きくなる。手放しの状態でシャッターボタンだけを押すと、レンズの先端がフラフラと揺れているのが目で見てはっきりと分かる。

 これを解決する方法は、まずシャッターボタンを丁寧に押すことだろう。シャッターボタンのみをいきなり押すのではなく、ボディに軽く手を添えて、可能な限り揺れを抑えてから、シャッターボタンを優しく押す。

 もうひとつは、シャッター速度の設定を、軽いブレをものともしない速度にまで引き上げる方法だ。例えば1/250秒といったシャッター速度にした上で、上記のシャッターの押し方を心がければ、ブレた写真が量産される……ということはない。

 筆者のようなせわしない用途でなく、じっくりと撮影する場合でも、雲台部分が若干不安定なのは影響があると思われる。レンズの先端側に手を添えたり、シャッター速度を高速化したりする工夫のほか、数秒の短い設定にしたセルフタイマー撮影やリモコン撮影で、シャッターボタンを押す際のブレそのものを解消する方法を組み合わせるのも有効だろう。

 「PIXI EVO」は、本格的な三脚から“降りてきた”製品ではなく、非常にシンプルなテーブルトップのミニ三脚シリーズから発展してきた製品だ。このため、自由雲台のボールを固定するノブも単純で、しっかりと固定するまでは何度も回す必要がある。軽量化とのトレードオフともいえるが、頻繁にアングルを調整したい用途なら、留意しておきたい仕様だ。

 ほかに筆者の用途で気になった点は、開脚した状態では意外に場所をとるという点だろうか。開脚の角度は2段階のみで、耐荷重と重量バランスの影響なのか、それなりの面積を必要とする。多くの場合、問題にならないだろうが、狭い場所で使うなら気にしておきたい。

 以上のようなことを鑑みると、筆者はテーブルトップのミニ三脚に対して過大な条件を要求していたことがよく分かる(笑)。「PIXI EVO」を手にしてそれに気付かされたとも言える。しかし耐荷重の性能に比してその軽さは非常に魅力的で、1kg弱のミニ三脚と比較して毎回「PIXI EVO」を選んでしまう。

場所に余裕が無いケース。左腕が干渉しないように設置すると、隣のCNET・藤井記者の邪魔になっていた。取材結果はコチラ
場所に余裕があるケース。取材結果はコチラ
製品名 販売元 購入価格
PIXI EVO(MTPIXIEVO-BK) マンフロット 4920円(税込)

(太田 亮三)