本日の一品

小型軽量、スマホ連携にも対応したGarminのサイコン「Edge 25J」

 先日、自転車の走行速度やケイデンス(1分間あたりのクランクの回転数)を計測するためのBluetooth SMART対応センサーを紛失してしまった。個体差なのかBluetoothの電波が不安定だったのかは不明だが、日ごろから接続が切れる現象がしばしば発生していたこともあり、この際なのでANT+対応のセンサーを導入してみたくなった。

「Edge 25J」
付属品は台座やバンド、専用のケーブルなど

 しかし利用しているサイコン(サイクルコンピュータ)はANT+非対応。……えーい、もったいないけどサイコンも変えよう! と決心し、購入したのがGarmin(ガーミン)の「Edge 25J」。

本体重量は実測24g、自転車に装着する時に必要な付属品を合わせても31gと軽量

 ガーミンは主にGPS搭載機器を手掛ける企業で、サイコンもいくつか発売している。そのなかでも「Edge」シリーズは高性能なだけに値段も高額なものが多く、なかなか手が出しにくい高嶺の花的なポジションの製品だ。そこへ1万9800円と(「Edge」シリーズにしては)リーズナブルな「Edge 25J」が2015年11月に発売。これならちょっと無理すれば買えると思い、飛びついたのだった。

ステムかハンドルの好きな方に、付属のバンドとゴム製の台座受けを使って台座を固定
サイコンを取り付けるとこんな感じ。台座の窪みに合わせてセットするだけと、着脱は簡単

 「Edge」シリーズ中で最小・最軽量の「Edge 25J」は、サイクリング時の記録測定に役立つ機能が詰まったANT+対応のサイコン。内蔵のGPS機能により測位や走行ルートの記録、速度計測を行ってくれるので、初期設定さえ終わればスピードセンサーがなくても利用できる。Bluetooth SMARTにも対応しているが、スマートフォンとの接続にだけ使用するようだ。しばらく使ってみたが、ANT+のセンサーとの接続もすぐに終わり、走行中に接続が切れるようなことも発生していない。さすがサイクリスト御用達メーカーの製品だ。

キャットアイの小型サイコン「ストラーダスマート」と同程度の小ささ
本体側面に配置された計4つのボタンで設定や記録の開始・終了といった操作を行う
文字は見やすいように大きめに表示してくれるのは好感触
内蔵バッテリーの充電やパソコン接続には、付属の専用ケーブルを使用。底面を覆う形状で、走行中に充電できないのは痛い

 GPS機能で衛星の電波を捕捉すると記録がスタート。捕捉にかかる時間は数秒~数分とまちまちだ。走行ルートを記録するためか、スピードセンサーと接続していても捕捉が完了しないと記録を開始できない仕様になっている。GPSを利用しない屋内用モードに切り替えれば捕捉を待たずとも記録を始められるが、当然ながら走行ルートは残らず、スピードセンサーと接続する必要もある点は注意しておきたい。

GPS捕捉中の画面。撮影したのが屋内だったため通常のGPS電波はつかんでくれない

 一般的にスピードセンサーを利用する際、サイコン側でタイヤ周長を設定しないと正しいスピードが表示されないが、「Edge 25J」は周長を手動設定するメニューは存在しない。ではどうするのかというと、GPSの測位結果から周長を自動で割り出すというシステムを採用している。同様のシステムは、他の「Edge」シリーズでも備えているものがある。しかし、手動での設定項目を設けていないのは本製品くらいだろう。価格を抑えた結果なのだろうか。

 また、測位精度を上げるためロシアの測位システムGLONASSにも対応し、オン・オフ切り替えが可能だ。ただ、GLONASSをオンにすると消費電力が増えるため、短時間での使用ならオン、長時間ならオフといった使い分けするのが良さそう。

設定メニューからGLONASSのオン・オフの切り替えが可能

 GLONASSのほかに、準天頂衛星みちびきもサポート。みちびきが上空に位置すれば自動で捕捉し、屋内でもすぐに測位してくれるので非常に便利。なのだが、みちびき側の体制がまだ整っておらず、東京地区では1日8時間程度しか利用できないとのこと。なんとも恩恵を受けづらい状況で歯がゆい。

室内で撮影したが、みちびきの電波をキャッチしたことを示すアイコンが表示され、測位もあっという間に完了した

 走行ログはサイコン上だけでなく、スマートフォンやパソコンでもチェックできる。Bluetooth SMARTでつないだスマートフォンや専用ケーブルで接続したパソコンにデータ転送し、Garminユーザー向けサービス「Garmin Connect」上でデータを閲覧・管理する仕組みだ。また、「Garmin Connect」はSNS的な機能もあり、友人と走行記録を見比べることも可能となっている。

サイコン上ではこのようにログを表示
詳細情報をチェックできる「Garmin Connect」のスマートフォンアプリ版
走行距離などを友人と比較できる
Webブラウザー上で同サービスを利用すると、各情報が一覧表示される

 ちなみにデータをスマートフォンにワイヤレス転送中、なぜかサイコンが再起動とデータ転送を繰り返す事態に遭遇した。筆者の場合は、パソコンと有線接続してデータ転送することで問題は解決。レアケースだと思いたいが、ほんのり不安ではある。

 もちろん「Edge」シリーズでおなじみの、自分で作った走行予定のコースを表示する機能も備えている。ただし地図を表示するわけではなく、コースを線で表示するだけ。予定ルートから外れていないかどうかチェックできれば十分だと考える筆者の場合は、特に不満はない。簡素だがナビ機能もあるし、完全に迷ったらスマートフォンを利用すれば何とかなると思っている。

試しに作ったコース。現在地情報と向きも表示される

 なお、ガーミンのサイコンはボタン操作時などに「ピロリ」という独特な電子音が鳴るのだが、「Edge25J」では音色が違う気がする。この点に筆者は未だもやもやとした気分に。そのうち慣れるだろうか……。

 勾配やパワーメーターの情報を表示できないなど、他の「Edge」シリーズと比べると機能は限定的だが、これは価格が安めに設定されていることの裏返しだろう。サイコンデビューしたい人や、コンパクトサイズのサイコンを使いたい人、本格トレーニングはしない人向けのアイテムと言える。

製品名販売元購入価格
Edge25JGarmin1万9800円

藤縄優佑