本日の一品

究極のリラックス姿勢(?)で動画を楽しめる「SOLO THEATER」

 以前はクラウドファンディングというと海外発のプロダクトばかり注目されていたように思うが、近頃は国内も活気づき始めた。資金調達に成功し、一般販売を始めた製品をチェックしていると、「SOLO THEATER」なる“独り者”には面白そうなものが!

「SOLO THEATER」。パッと見はただの段ボール

 「SOLO THEATER」は段ボールを加工した組み立て式の製品。いつでもどこでもスマートフォンやタブレットで快適に動画を視聴できるよう設計され、「映画館気分を楽しめる」とうたっている。組み立てた段ボールの上面に端末をセットし、寝そべった状態で段ボールの中に顔を突っ込むと、暗闇の中にディスプレイに映る映像だけが浮かび上がり、集中して視聴できる環境が完成する、という至極シンプルな仕組みだ。

段ボール内側に黒い塗装を施し、遮光性を高めている
iPhone 5s/6、iPad用のスペーサーがそれぞれ用意されている

 段ボール上面に端末をセットするには、付属のスペーサーを使う必要がある。スペーサーはiPhone SE/5sやiPhone 6s/6、iPad Air/iPad miniにぴったり合うように作られ、それらを持っていない人は手持ちの端末と似た大きさのスペーサーを使用することになる。端末とスペーサーのサイズが合わないと隙間から光が漏れるので、スペーサーをカッターで切ったり端末の上に大きな黒い紙などを覆ったりして調節すると良い。

スペーサーを段ボール上面にセットし、端末も設置。落下防止用の帯状のマジックテープも取り付けて準備完了
半円状のスペースに頭を突っ込む。奥側に見えるスリットはこもった熱を逃がすためのものだが、効果は薄そう

 実際に使ってみると、当然だが視界が暗く、狭くなるので動画視聴に専念しやすくなるが、映画館気分を楽しめているかどうかは疑問。段ボールを被ったことで若干の圧迫感や息苦しさがあるため、どちらかというと押し入れや布団の中でこっそりと携帯ゲーム機で遊んでいた時と似た気分になった。

使用中の姿はあまり見られたくないかも

 しかし、ストレスが溜まるわけではなく、仰向けで、かつ両手に端末を持つ必要もないので、非常にリラックスした状態で使えている。遮光性に関しては、蛍光灯のついた室内で使うとほどほどに暗くなるレベルで、映画館の上映時よりはやや明るい見え方だ。

 また、段ボール内で反響するサウンドも堪能できるのでは? と予想していたが、使用した端末のスピーカー位置が関係しているのか、それほど臨場感が得られることはなかった。動画視聴にさらに没入するなら、イヤホンやヘッドホンを使うことをオススメしたい。

参考までに。Xperia Z3 Tablet Compactではスペーサーに隙間が生まれるため、先述のような対策が必要

 映画館の観客を模したパーツを、段ボール内に設置することもできる。設置前は邪魔そうだなと思っていたが、取り付けてみると視界を遮ることはなく、うっとうしく感じることもなかった。完全にお遊び要素だが、筆者はこういう仕掛けがけっこう好きだ。

付属の人型パーツにより映画館っぽい雰囲気を醸し出す
本製品をしまえる段ボールケースも用意されている

 課題は、一度本製品を被るとタッチ操作が困難になるので、あらかじめ動画を再生してから被らなければいけないこと。ただしBluetoothコントローラーを持っていれば話は別で、動画再生だけでなく、ゲームも楽しめる。また、記事執筆時点ではあまり問題は感じなかったが、湿気の多い梅雨の時期や夏の暑い日だと熱や湿気がこもりそうなので、使う場所の環境を選ぶ点も注意したい。

 これくらいならDIYで作れそう、なんて思う人もいるかもしれないが、キレイに加工されているし、快適に見るための工夫も随所に盛り込まれており、手作りするのは面倒という筆者のような人にはオススメしたい。休日になったら本製品をフル活用し、端末を手に持たずリラックスしながら映画やゲームに興じようと思う。

製品名販売元購入価格
SOLO THEATERLUCY ALTER DESIGN4288円(税込)

藤縄優佑