本日の一品

着用したままタッチ・スワイプOKなスマホ用VRゴーグル「MilboxTouch」

 スマートフォンを挿入して目の前に構えると、迫力あるVRコンテンツが楽しめるVRゴーグルは、今やさまざまなタイプのものが発売されている。これらの大半は、一度セットしてしまうとスマートフォンの操作がしにくくなってしまうのが難点だった。

 Google Cardboardなど一部製品はタッチ程度なら可能だが、スワイプには非対応だ。しかし最近発売された「MilboxTouch」は、ゴーグルを構えたままタッチやスワイプが可能になっている。

レンズを2つ装備したVRゴーグル「MilboxTouch」

 「MilboxTouch」はGoogle Cardboardなどと同じく段ボール製。説明書に沿って組み立てるだけでサクッと完成する。その側面の円型スペースに見える白い部分は「タッチインターフェイスモジュール」というものだ。導電性素材で作られたタッチインターフェイスモジュールは、内部ですだれのように伸びており、スマートフォンの画面端に触れるくらいの長さがある。

 円型のスペースでこのモジュール部分を指でなぞると、スマートフォン側でタッチやスワイプとして認識される仕組みだ。スマートフォン側の反応もなかなか良く、意外に誤操作も少ない。

「タッチインターフェイスモジュール」を台紙に貼ったもの。これを筐体内に仕込むが、粘着力は非常に低いのでテープなどで補強した方が良いかも
挿入可能なスマートフォンの大きさは150×76×10.5mmまで。参考までにいうと、ZenFone 2だとギリギリ入らない
タッチインターフェイスモジュールに触れるとタッチ、円を描くようになぞるとスワイプとしてスマートフォンは認識する

 このタッチインターフェイスモジュール対応のAndroid用ゲーム「MilboxTouch ver. VR PAC-MAN」が有料で配信されている。往年の名作「パックマン」をVR向けにアレンジしたものだ。見下ろし視点ではなくパックマン視点でプレーでき、周囲を360度見渡せる。

 ステージ全体が一度に見えるわけではないため敵の位置が把握しにくく、迷路に落ちている「ドット」を食べようとしていたら突然背後から襲われることもしばしば。VRならではの臨場感だけでなく、独特の緊張感も味わえるのは面白い。

本製品を使って楽しめるよう画面を2分割した「GOGGLE MODE」と、VRゴーグルなしでも楽しめる1画面の「NORMAL MODE」を用意
モンスターがじりじりと迫ってくるのはVRらしい臨場感がある
本製品でゲームをプレイしているところ。くるくると指をなぞる操作は新鮮

 スワイプで前進、首を振って視点の切り替え、右左折は曲がりたい方向を向きながら前進という操作方法。曲がり角でいったん停まってから左右に向き直す方法だと思った通りに方向転換できない点は、なんとか改善してほしいところだ。また、構造上仕方ないが、「タッチインターフェイスモジュール」が画面端に常に映りこんでいるのはちょっと気になる。

 ゲームは十分に楽しめたものの、入り組んだステージを駆け回るために短時間に何度も首を振り、視点を移動させたためか、2、3プレイほどで少し酔ってしまった。個人差はあると思うが、あまり長時間のプレイには向いていないかもしれない。VRコンテンツで酔ったのは今回が初めてで、これがいわゆるVR酔いか……と実感できたのは良い経験だった……。

「NORMAL MODE」でも端末の向きと視点が連動し、VRっぽさは楽しめる

 なお、「タッチインターフェイスモジュール」はパックマン以外のアプリでも反応するが、先述の通り画面端に届くくらいの長さしかない。その位置でタッチやスワイプをしているとしかスマートフォンは認識しないため、他のアプリでの実用度は低い。

 ほとんど操作を必要としないVR動画の視聴には使えるが、やはりもっと対応アプリ・ゲームが増えてほしいところ。SDKが公開されているので、従来のスマートフォン装着型VRゴーグルにはない新たなゲームやサービスが生まれてくれると、本製品の魅力が際立ちそうだ。

製品名販売元購入価格
MilboxTouchWHITE2700円(税込)

藤縄優佑