世界のケータイ事情

ベルギーで見つけた次世代エネルギーの主役

グランプラスに建つ市庁舎

 ベルギーの首都、ブリュッセルを訪れた。ベルギーは、欧州連合(EU)の原加盟国であり、その主要機関の多くが首都ブリュッセルに置かれているため、ブリュッセルはEUの首都とも呼ばれている。

 周辺国からの移動も便利であり、イギリスのロンドンからはユーロスター、フランスのパリ、オランダのアムステルダム、ドイツのケルンからはタリスといった国際高速鉄道に乗り、中世の香り漂う世界遺産である石畳の大広場「グランプラス」を中心に美術館や博物館、蚤の市等、街歩きを楽しむことができる。また、美食の国でもあり、ベルギーを代表する料理「ムール貝」は秋から冬にかけて旬を迎える。ベルギービールを飲みながら食すのがまた格別である。

足こぎ発電ブース

 今回は、次世代のエネルギーについてレポートする。ここ、ベルギーでは、電力不足を補う十分な代替エネルギーを確保することや電力価格が暴騰しないことなどを条件としつつも、2025年までに全電力の約6割を担っている原子力発電所を全て閉鎖する方針を決めている。現在、原子力に次ぐエネルギー源である化石燃料は、温室効果ガスの排出など、環境に与える影響も大きく、代替エネルギーの確保が課題だが、今回訪れたブリュッセルでその答えを見つけた。それは、「足こぎ発電」(!)である。

 ブリュッセル国際空港に足こぎ発電ブースを見つけ、フライトまで少し時間があったので試してみた。サドルにまたがり、アウトレットにケータイ等の電子機器をつなぎ、ペダルをこぐ、ひたすらこぐのである。するとアウトレットの周りのLEDが光る、光るのである。発電していることの目印だ。また、このブースにはLANケーブルがついており、ケータイ等の電子機器に充電するだけでなく、ケーブルをPCにつなげばインターネットも利用できるなかなかのスグレモノなのである。もちろん、十分充電できていればこがなくてもインターネットは利用できるのだが、せっかくだからこぐことをオススメする。

発電中
充電中
発電にいそしむ人々

 持参したiPadをつなぎ、こいでみたところ、ステータスバーできちんと充電できていることが確認できる。足こぎ発電は太陽光や風力と比べると天候に左右されず、かつ同様にクリーンであり、まさしく、次世代のエネルギーと呼ぶにふさわしい。

 お金の代わりに体力を使い、燃料の代わりに脂肪を燃焼して発電。日本でも、家庭用の小型の足こぎ発電機が手に入るようなので体力のある方には是非ともオススメしたい。

KDDI総研 日野高志

 KDDI総研 調査1部 海外市場・政策グループ。諸外国の情報通信に関する政策や市場動向の調査を担当。近年は冬になるとブリュッセルで、ムール貝とベルギービールをたしなむ。