世界のケータイ事情

たかがカバーだなんて大間違い

 突然ですが、スマホをお使いの皆様に質問です。スマホにはカバーをつける「カバー派」ですか? それともカバーはつけない、いわゆる「裸派」ですか? 電車の中などで他の方のスマホを見ていると、カバー派の方が少し多いような気がしますが、裸派の方もたくさんいらっしゃいますね。ちなみに私はカバー派です。

 一口にカバーと言っても色々な考え方があるように思います。とにかくスマホをキズから守りたい人、スマホをちょっとおしゃれに飾りたい人、中には機能を強化したい人もいるのではないでしょうか。冬は金属製のボディが冷たいから、という理由もあるかもしれません(余談ですが、我が家のiPadはこの理由でカバーを付けています。真冬の朝に冷えた金属板を持つのはなんとも辛いものがあります)。カバーの材質もシリコン、ポリカーボネイトから皮までさまざまです。また形状も、バンパー形式のもの、カバー形式のもの、中には手帳のように開閉式のものもあり、見ているだけで飽きません。

 一方で、裸派の人にも色々な考え方があるようです。単純に面倒くさいから付けない人もいれば、本体のデザインが好きだからカバーなんて付けないという人、キズも気になるけどどうせ2年で買い換えるからと割り切っている人、「スマホを0.1mm薄くするために、メーカーの人が血のにじむような努力をしているのに、カバーしたら意味ないじゃん」という人もいるでしょう。カバーを付けない理由もやはりさまざまで、興味深いものがあります。

 使わない人からすれば、たかがカバーなんて……と思われるかもしれませんが、ご存知の通り、家電量販店に行けば、各キャリアの携帯電話エリアの横に、広大なスマホカバーエリアが広がっており、一つの大きな市場となっています。

 国内の調査(※1)によれば、スマートフォン・タブレットのアクセサリー国内市場は2011年時点で既に720億円という結果になっております。アクセサリーには、カバー以外にも画面保護フィルムなども含まれると思いますが、その規模は拡大を続け、2016年には1412億円になるという予測も出ています。1000億円市場とは驚きですが、昨今のスマホの普及を考えると納得してしまう数字でもありますね。

 一方で、世界に目を向けてみるとどうでしょうか? 海外の調査では、スマートフォンのアクセサリー市場は2012年で200億ドル、2017年には380億ドルにも達するという予測(※2)が出ています。また、スマートフォンの利用者は2013年19億人から、2019年56億人まで増加するという予測(※3)もあり、世界規模で見ても、カバーの市場拡大は確実といえそうです。

 最後に、国内ではあまり見かけない、一風変わった海外のスマホカバーをご紹介したいと思います。

 なんと持ち手が拳銃のグリップになっているスマホカバーです。ポケットには収まりづらそうですが、実際の銃と同じ寸法になっているなど、こだわりの一品ともいえるかと思います。

 次はこれ、催涙スプレーやスタンガンなど、本当に護身用になってしまうちょっと物騒なカバーです。日本で持ち歩くと軽犯罪法違反になる可能性がありますので、ご注意を。

 3つ目は、ネクタイを利用した、スマートフォンウォレットです。これなら、日本でも気軽に楽しめそうですね。タイトルにある「Upcycle(アップサイクル)」とは、単なるリサイクルに留まらず、さらに価値を高める利用、いわばリサイクルの進化版を意味する言葉だそうです。お気に入りのネクタイがほつれて使えなくなってしまった時など、チャレンジしてみるのもいいかもしれませんね。

 いかがでしたか。カバーといってもさまざまなアイディアがあり、今この瞬間にも世界のどこかで新しい製品が生まれようとしていると思うと、ちょっと楽しくなってしまいますね。