世界のケータイ事情

携帯電話投げ選手権 in フィンランド

 世界にはくだらないことを真剣に競い合う愛すべきイベントがたくさんある。イギリスの「チーズ転がし祭」(丘の上からチーズの塊を転がし、それを競技者たちが追いかける)、フィンランドの「奥様運び」(夫役の男性が奥様役の女性を担いで障害物競争)。

 携帯電話の世界では同じくフィンランド発の「携帯投げ世界選手権」がある(フィンランドはこの種のことが好きなようだ)。携帯投げ世界選手権は2000年にノキアのお膝元フィンランドで始まったイベントで、文字通り携帯電話を投げてその飛距離などを競う。

【2013年大会の映像】

4つの競技種目

 携帯投げ選手権の競技種目は以下の4種類からなる。

(1)オリジナル
・シンプルに飛距離を競う遠投競技
・男子部門と女子部門に分かれて実施

(2)チーム
・1チーム3人まで(男女問わない)
・飛距離の合計を競う

(3)フリースタイル
・投げる際の動きの華麗さや独創性を競う
・3名の審査員がジャッジ。各人が1点から6点をつける(最高得点は18点)
・個人部門とチーム部門に分かれて実施

(4)ジュニア
・12歳以下による遠投競技

 もしわれわれ日本人が出場するならどれだろうか。「(3)フリースタイル」は表現力豊かな欧米人に分がありそうだ。やはりスタンダードに「(1)オリジナル」もしくは野球経験のある友達を集めての「(2)チーム」だろうか。欧州で野球がほとんど浸透していないことを考えると、日本人の勝機は少なくない。なお、競技前のドーピング検査は無い。

使用する端末

 競技には主催者側が用意する中古端末を使う。主催者は収集した中古端末から重さ220g以上の端末を競技用にピックアップする。競技者はその中から自分の手にフィットし投げやすいものを選べる。平べったいスマートフォンは空気抵抗が強そうだ。ここは空気抵抗の少なそうなフィーチャーフォンを選びたい。競技者自身が持ち込んだ端末を利用することはルール上禁止されているようだ。

計測は本気

 2013年大会では、同国の地籍測量を行う機関NLS(National Land Survey of Finland)が飛距離の計測を行った。計測の方法も国際陸上競技連盟(IAAF)と同じものを採用するという徹底ぶりであり、くだらなさと真剣さのギャップを演出している。

2013年大会の結果

 各部門の優勝者の成績は以下のとおりだ。優勝者には最新携帯端末が景品として贈られる。

・オリジナル(男子)……97.73m
・オリジナル(女子)……40.41m
・ジュニア……39.67m
・フリースタイル……18ポイント(採点基準などは不明)

 ワールドレコードは2012年ベルギー大会で英国のChris Hughff氏が出した102.6mだ。ちなみに彼は2006年大会と2007年大会でも優勝した剛腕の持ち主でありヒマ人だ。

大会の思想

 元々この大会は、中古端末をリサイクルに回す前にひと遊びしようという発想から生まれたものらしい。主催者側の説明によれば「リサイクルのフィロソフィーとスポーツのスピリットをかけあわせたもの」だという。分かるようで分からない。イベントは中古端末のリサイクル業者の協賛を得ており、競技に使われた端末は全て回収されリサイクルに回される。

 また、大会の回を重ねるごとにその熱狂(?)が欧州各国に飛び火しており、ノルウェー、ベルギー、英国などでも開催されている。

 なお、この大会は世界的に割と有名(くだらないからだろう)である一方、参加者はそれほど多くない(くだらないからだろう)。2013年大会の参加者は大体80名程度だ。ということは多少肩に自信があれば入賞に食い込める可能性もある。2013年大会の結果では、男子個人部門の10位が54.52mだ。これはなんだか勝てるかもしれない。女子部門は8位が20.83m。というか1位でも約40m程度だ。ソフトボール経験者などであれば十分優勝を狙える。我こそはという方はぜひエントリーを。

KDDI総研 沖賢太郎

KDDI総研 調査1部 海外市場・政策G。海外のモバイルサービス動向を調査・分析。奇しくも9月にフィンランドへ出張することになった。携帯投げ大会が9月にずれ込んだ場合は「オリジナル」部門で参加し入賞を目指す。