世界のケータイ事情

世界の歩きスマホソリューション

 朝、電車を降り、人ごみを歩いていると、前の人がやたら遅い。仕方がないので避けて追い抜くと、やっぱり歩きスマホ。そんなことがない日のほうが少ないのではないかと感じる、今日この頃。MMD総研の調査では、昨年よりも歩きスマホは減っているという結果も出ているものの、なかなか実感しづらいというのが正直な感想だ。

 良くない良くないと言われながら、いろいろな企業・自治体が啓発活動をしながら、国によっては歩きスマホを罰金の対象にしながら、そして時には不幸な事故が起こってニュースになりながらも、なかなか減らない歩きスマホ。アメリカでも歩きスマホによる負傷者数が年々増加しているというや、運転中のスマホよりも歩きスマホのほうがより多くの事故につながっているというもあり、歩きスマホは世界的にも大きな問題となっている。

 ダメだと言っても減らないのであれば、時には北風と太陽のように、発想の転換が必要なのかもしれない。今回は、海外のちょっと変わった歩きスマホ対策を集めてみた。

 1つ目はイギリス・ロンドン。よそ見をしてぶつかってもいいように、街灯柱をやわらかいクッションで巻いてしまった。なんとも優しい。これで安心して歩きスマホができる?!

 とはいえ、これに甘えて街灯にぶつかるのも格好悪いし、人にぶつかったりすればもちろん迷惑になるので、歩きスマホはやっぱりダメだろう。

 2つ目はアメリカ・ニューヨーク。なんと盲導犬(Seeing Eye Dogs)ならぬ盲導人(Seeing Eye People)。

 歩きスマホをしたい人は赤い紐を握り、思う存分歩きスマホをしながら目的地まで行くことができるというもの。実はこれ、Improv Everywhereというフラッシュモブで有名な集団によるパフォーマンス。

 最後は中国・重慶。少し前に国内でも結構話題になったので、ご存知の方も多いかもしれない。なんと歩きスマホ専用レーンを設置してしまった。

 効果を疑問視する声や、逆に事故率を上げてしまうのではと懸念する声もあるが、もし本当にレーンを分かれて歩くのならば、少なくとも歩きスマホをしない人が巻き込まれるような事故は、防げるのかもしれない。

 以上、ユニークな歩きスマホソリューションを取り上げてみた。AFP通信も、歩きスマホは「Smartphone 'Zombies'」、つまり下を向いてノロノロと歩いている様が、まるでゾンビのようだと表現している。歩きスマホ中は視界が狭くなる、と言われているが、二重の意味で周りが見えなくなっているのかもしれない。

KDDI総研 江島啓

KDDI総研 調査2部 市場分析グループ。情報通信を取り巻く市場動向に関する調査・分析を担当。知人が歩きスマホで階段を踏み外したという話を聞き、歩きスマホの危険性を痛感。歩きスマホは何とか我慢しているものの、信号やエスカレーターで歩みが止まると、ついついスマホを取り出してしまうあたり、やはりスマホの魅力に取り付かれてしまっているのかもしれない。