ケータイソリューション探訪

iPhone向けアプリの海外展開を支援するエンターブレイン


 エンターブレインは、iPhone向けのアプリケーションのグローバル展開などを支援するサービス「f-ism Cloud Gate(エフイズム・クラウドゲート)」事業を加速する。

 同サービスは、日本で開発したゲームソフトを世界各国に展開する際に課題となっているコンテンツの翻訳や音声吹き替えなどのほか、現地でのプロモーション活動などの支援を行うもの。2009年9月からサービスを開始しており、これまでに月間約5社の契約を獲得。そのうち約8割がプロモーション活動支援に関するものだという。

 エンターブレインのグローバルマーケティング局コンサルティング事業推進部部長のリッキー谷本氏は、「iPhone向けゲーム、Facebook向けソーシャルゲームなどのダウンロードコンテンツが北米市場で急速に拡大している。また、PlayStation NetworkやXbox向けダウンロードコンテンツも市場が拡大しているなかにある。日本の優れたゲームソフトを、グローバルに展開できる素地が整いつつあり、参入障壁も低くなっている」と語る。

 その一方で、谷本氏は「海外市場の特性や、プロモーションの手法、日本とは異なる各種法令に準拠するといった点を理解しないまま参入し、失敗する例も出ている」と指摘。「f-ism Cloud Gateでは、欧米に拠点を持たないソフトメーカーなどが、海外進出する際に支援するサービスであり、同時に、ゲーム機だけでなく、PCやスマートフォンなどのマルチプラットフォーム戦略を支えるものとなる」(谷本氏)という。

 日本でもiPhone向けのアプリケーションは人気を博しているが、調査によると、北米市場は日本の10倍の規模があるといわれているほか、ダウンロードによるノンパッケージ型ソフトが広がりを見せることで、市場参入の障壁となっていた流通販社との契約が不要になっていること、小規模の企業でも参入しやすくなっているといったゲーム市場の変化も見逃せない。

 f-ism Cloud Gateでは、英BABEL MEDIA社と提携し、コンテンツを英語、フランス語、イタリア語、中国語、韓国語など20カ国語への翻訳、音声吹き替えなどのローカラスゼーションを行うほか、海外でのカスタマーサポートや市場性の調査などを実施する。

 さらに、米Sandbox Strategic社との提携により、北米市場向けのプロモーションプランを作成。パブリシティ展開や、メディアプランニングなどを提供する。

 これらのサービスは、すべてエンターブレインが窓口となり、日本語で対応する。

エンターブレイン グローバルマーケティング局コンサルティング事業推進部部長 リッキー谷本氏

 谷本氏は「海外のApp Storeに登録したにも関わらず、まったくプロモーションを行っていないために認知度が上がらなかったり、市場特性を熟知しないまま参入を図り、計画の販売数量に達しないといった例も出ている。エンターブレインが展開しているゲーム市場調査に関するノウハウや、海外企業との提携実績を活用することで、こうした問題を解決できる」と説明する。

 料金体系などを明確化したサービスメニューを設定。PRセットメニューでは、日本語のプレスリリースを英文に翻訳し、記事として掲載されやすいフォーマットとして、Sandbox社が厳選した北米500社のメディアへ配信する「バジェットコース」(29万円)、発売前のプレスリリース配信および発売後の主要メディア15社へのゲーム内容の紹介や画面写真データの配信、人気ブログへの記事掲載を促す「戦略コース」(79万円)などを用意。

 さらに、動画サイトへの効果的な投稿や、発売記念イベントの実施、プレゼント企画、コンテスト実施、メディア編集者への訪問プレゼンテーションなどのメニューも用意している。

 PR効果については、記事が掲載された媒体名、記事の内容、日付、リーチ数をデータとして提供。状況動向レポートを日本語で提供するという。加えて、市場性を考慮し、販売本数や価格、原価、マーケティング費用をシミュレーションし、損益計算書の形でまとめるP/L作成サポートなども行う。

 同社では今後、海外から日本に参入するゲームソフト企業の支援も行う考えで、双方向型でのグローバル戦略を支援できる体制を整える。

(大河原 克行)

2010/1/15 06:00