スマートフォンに3D機能、Movidiusが半導体ソリューション発表


ショーン・ミッチェル氏

 アイルランドや香港に拠点を置くMovidiusは、スマートフォンやタブレット端末などのモバイル機器で3D表示を実現するためのプラットフォーム「Myriad 3D」を発表し、対応チップソリューション「MA1133」のサンプル出荷を開始した。

 Myriad 3Dプラットフォームは、3D対応のモバイル機器が提供する統合チップソリューション。マルチメディアプロセッサとアルゴリズムを含むソフトウェアがソリューションとして一括提供される。

 2つのカメラで撮影した静止画および動画をリアルタイムに3D化することが可能で、オートステレオスコピックディスプレイであれば専用メガネなしで肉眼で3D映像が確認できる。また、2Dのコンテンツを3D変換でき、既存のコンテンツを3D映像で楽しめる。モバイル機器で撮影した3D HD映像をテレビ出力することも可能。

 MovidiusのCEOであるショーン・ミッチェル氏は、「品質の悪い3D映像は、“3D酔い”を引き起こす。Myriad 3Dは、自動収れんアルゴリズムによって、自動で3D酔いが回避できる」と話す。



 なお、Movidiusでは「MA1100」というマルチメディアプロセッサを提供しており、「MA1133」はハードウェアとしては同じもの。ソフトウェア開発によって3D化を実現している。チップサイズは8×8mmで、消費電力は電力消費の大きなアプリでも数百ミリワットになるとしている。MA1133の価格は供給数によって変動するが、米ドルベースで1桁台。

 Movidiusでは、スマートフォンやタブレット端末、ポータブルゲーム機など、モバイル向け製品での導入を想定している。ミッチェル氏によれば、日本市場でのモバイル向け3Dの需要は高いという。採用メーカーについては明言を避けたが、すでに採用を決定している企業もあるという。同社は2011年早々にも量産を開始する予定で、数カ月後には採用企業が公表されるものと見られる。


 



(津田 啓夢)

2010/9/30 16:05