【CEATEC JAPAN 2010】
携帯を置くだけで充電、ドコモが無接点充電のデモ披露


 ドコモブースでは、携帯電話を置くだけで携帯電話やバッテリーが充電できる無接点充電のデモが披露されている。

 「ワイヤレス充電ケータイ」を銘打たれたコーナーでは、携帯電話やバッテリー単体などを平面に置くだけで充電ができてしまう無接点充電のデモが実施された。ワイヤレス充電の標準化を進める「WPC」の方式に準拠したもので、充電台や携帯電話、バッテリーなど対応した製品には「Qi」というロゴが入っている。

 今回のデモでドコモが採用している充電方式は、電磁誘導方式と呼ばれるもの。充電器と充電される機器には双方にコイルが搭載されており、磁束の変化によって生じる電気を使ってコイルからコイルへと給電する。なお、充電器(試作機)は三洋電機が開発したもので、小さく「eneloop」のロゴが入っていた。

 充電器は20×20cm程度の大きさで、厚みは1.5cm程度。充電器と携帯電話側には3cm四方のコイルが搭載されており、対応機器同士であれば、台に携帯電話を置くだけで従来の充電器と同等の電力が供給される。

 無接点ではあるものの、コイルとコイルはぴったり重ならなければ充電できない。充電器側のコイルにはCDプレーヤーなどで採用されている小型のモーターが仕込まれており、携帯電話のコイル位置まで自動的に移動する。コイル周囲には円を描くようにLEDが搭載されており、コイルが移動する軌跡がわかる。

 担当者によれば、製品化は未定とのこと。無接点充電では富士通研究所が磁界共鳴方式を使った無接点充電の研究を進めているが、ドコモでは、電磁誘導方式の方が小型化できると考えこの方式を採用しているという。また、磁界共鳴方式では複数の機器の充電が可能だが、電磁誘導方式は1対1での充電となる、複数の携帯電話を置いた場合、充電が完了すると次の携帯電話に自動的にコイルが移動する機能なども用意されている。

コイルが自動的に移動する複数機器は順番に充電
さまざまな機器の充電に対応eneloopロゴ

 



(津田 啓夢)

2010/10/6/ 12:55