【CEATEC JAPAN 2011】
mmbiの放送局名は「NOTTV」に、会場内で発表会開催


写真右から、高垣麗子、二木氏、小牧氏、AMEMIYA

 イベント初日の午前中、mmbiのブースでは、2012年4月より放送を開始する携帯向けマルチメディア放送の放送局名「NOTTV」(ノッティーヴィー)の発表会が行われた。

 今年7月、ISDB-T マルチメディアフォーラムは、「携帯端末向けマルチメディア放送」と呼ばれてきたサービスの総称を「モバキャス」と命名した。モバキャスのインフラ面は、NTTドコモ系でmmbiの子会社にあたるジャパン・モバイルキャスティングが担当する。mmbiは、このインフラの上で放送サービスを展開するソフト事業者として参入申請している。

 なお、ISDB-T マルチメディアフォーラムでは、ハード事業者(ジャパン・モバイルキャスティング)とソフト事業者を分離したことで、ソフト事業者として参入しやすい状況を作ったとしているが、ソフト事業者に名乗りを上げたのは、ハード事業者の親会社にあたるmmbi1社のみとなっている。

 mmbiでは、モバキャスの放送局名を「NOTTV」と命名した。「テレビにできないことをする。テレビを越えたテレビになる」というコンセプトを体現する名称として、「Not テレビ」をもじって「ノッティーヴィー」になったとしている。あわせて新放送局のキャラクターとして「notty」(ノッティー)も明らかにされた。

 これまでのテレビとは異なることを強くアピールするmmbiだったが、CEATEC JAPANのブースは、テレビのバラエティ番組のようなセットが組まれていた。登壇したmmbiの代表取締役社長の二木治成氏は、「NOTTV」について「日本初のスマートフォン向け放送局、4月開局に向けて進めている。番組コンテンツ、対応端末、エリアについて検討していく中で、放送局の名称も検討してきた。それがNOTTV。テレビにできないことをする。テレビを越えた存在になる」と話した。

 また、mmbiの常務取締役である小牧次郎氏は、「スマートフォンは完全に立ち上がった。次はスマートTVだ。NOTTVは、通信機能のあるスマートフォン向け放送であり、最初から100%繋がっていて、SNSとの連携は当たり前、視聴者全員参加のクイズも可能になる」と述べた。

 質疑応答で二木氏は、月額数百円で3チャンネルが楽しめること、2012年度に100万加入、数年後に1000万加入を目指すと語った。また、ソフト事業者としてmmbi1社しか手を挙げていない現状について、「関心は高い。様子をうかがっている」などと説明した。小牧氏は「他にいないので僕らががんばる。コンテンツの調達は番組制作会社からすでに500の企画が届いている」などと語った。

 発表会終了後、二木社長と小牧常務が囲み取材に応じた。この中で二木氏は、スマートフォンだけでなくタブレット端末にも展開していくことや他キャリア向けに仕様を公開していることなどを説明した。

 なお、mmbiが新たな放送免許をして以降、スマートフォンの普及拡大は進み、NTTドコモも「BeeTV」だけでなく、Xiタブレット向けに動画サービス「Hulu」との連携も図っている。小牧氏は通信型の動画サービスについて、「クラウドにデータがあるストック型のコンテンツに量で勝てるわけがない」と話し、不特定多数に情報を送信できる放送の利点を活かして、「生番組」を対抗軸に展開していく方針を示した。

 さらに、通信型の動画サービスでもニコニコ動画など、生番組に積極的に取り組んでいるプレイヤーがいる中で、より多くのユーザーにコンテンツが送り出せるとした。配信されるコンテンツは半分がオリジナルになる予定。配信コンテンツの内容は、「まあまあニッチなものを多種類用意する」(小牧氏)と話しており、総合編成ではあるものの、テレビよりもよりニッチな方向性を打ち出していくとした。さらに、モバイル向けサービスだが、配信するコンテンツの長さにはこだわらない姿勢を示した。

 このほか発表会では、神戸コレクションとのタイアッププログラムとして、ファッションショーが開催された。また、ゲストとして高垣麗子やAMEMIYAが登場した。


二木氏神戸コレクション

 




(津田 啓夢)

2011/10/4 17:21