【CEATEC JAPAN 2012】
KDDI、高齢者・難聴者向け「補聴機能強化ケータイ」参考出品


 「CEATEC JAPAN 2012」のKDDIブースでは、高齢者や難聴者向けの携帯電話「補聴機能強化ケータイ」が参考出品された。

 「補聴機能強化ケータイ」は、京セラ製端末「URBANO PROGRESSO」や「簡単ケータイ K012」に搭載されている「スマートソニックレシーバー」の出力を上げて、高齢者や難聴者に向けに聴く機能を拡張した携帯電話。スマートソニックレシーバーは、ディスプレイプレイを振動させることで音を出す機能で、一般的な携帯電話の用に耳をスピーカー部にぴったり合わせなくても音が聞きやすい。

 「補聴機能強化ケータイ」では、スマートソニックレシーバーの素子をより強力なものに変更することで、「K012」で2~4倍の音声出力を実現。ダイナミックレンジ圧縮により、大きな音はそのままに小さい音だけを増幅している。さらに、高域が聞こえにくい場合が多い高齢者向けに、イコライザーで高域を増幅させている。

 ブースでは、改良された「K012」でデモンストレーションが行われていた。音声を聞いてみると、通常の携帯電話よりはかなり大きな音で出力されており、聴力に支障がないユーザーにはうるさく聞こえる。

 しかし、「この携帯ではじめて通話ができた」と語る試験者もいるという。そう説明するブース担当者自身が難聴者であり、耳に補聴器を着けていた。難聴者といっても高域・低域など聞こえない音域はさまざまで、利用者毎のチューニングが必要になるという。製品化は未定だが、CEATECなどで注目が集まることを期待しているという。

 ブースの担当者は、「補聴機能強化ケータイ」について「自分のために作っている」と冗談交じりに語り、「今は普通に聞こえても、高齢者になればいずれは聞こえにくくなる」とも話していた。


 




(津田 啓夢)

2012/10/2 15:35