【CEATEC JAPAN 2013】

シャープのIGZO液晶は次世代へ、「MEMSディスプレイ」をアピール

 シャープは、同社ブース内で、独自の液晶ディスプレイIGZOをアピールする「IGZO World」ゾーンを設け、IGZO搭載のスマートフォンやタブレットなどの製品群のほか、次世代のIGZO技術の研究成果を展示している。

 なかでも注目を集めているのが、IGZO技術を応用した次世代の「MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)」技術を搭載した「MEMSディスプレイ」だ。「MEMSディスプレイ」はシャープとクアルコムが共同で開発を進めている、省電力の液晶パネル。同ブース内では、7インチ(1280×800ピクセル、約220ppi)サイズのものが展示されている。

「MEMSディスプレイ」の展示

 IGZOの応用である「MEMSディスプレイ」は、半導体プロセス技術を用いて基板上に電子とメカニカル機構を融合させた微細な立体構造からなるシステム。ひとつひとつのセルに機械的なシャッターがついていて、バックライトの光を通したり、遮断したりという動作を繰り返すことで、RGBのLEDが順番に点灯する。このとき、電力のオン/オフを制御することで、大幅な省電力を可能にするシンプルな構造になっている。

 従来の液晶ディスプレイに比べ、バックライトの光を有効に使い、約10倍の光利用率を実現している。高い視認性、色再現性を実現し、省エネモードの切り替え表示も可能になる。また、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイでは、見づらくなる日差しの強い外光下や、低温~高温といった幅広い周囲環境下においても表示可能なディスプレイとなっている。

 その他、IGZOワールドでは超狭額縁の「フレームレスディスプレイ」のサンプルや、タッチパネル付きのIGZOディスプレイ、9月30日に発表された300ppiの高精細IGZO液晶ディスプレイを備えた「Mebius Pad」などを参考出品している。

タッチパネル付きIGZOディスプレイ
「Mebius Pad」

人と家電をつなぐスマートフォンアプリ「ココロボ~ド」を紹介

 このほか同社ブース内では、人と家電の新しい関係を提案する「スマート・スイートホーム」ゾーンを設けている。ここでは「ともだち家電」をテーマにした、ホームマネジメントシステムについてデモンストレーションが行われている。ソーラー、蓄電池などのスマートハウスに加え、ロボット家電 COCOROBOをはじめとする「ココロエンジン」を搭載した家電を紹介している。また、スマートフォンを介して家族同士やロボット家電 COCOROBOとコミュニケーションできる、同社が開発したアプリ「ココロボ~ド」の実演が行われている。

「スマート・スイートホーム」ゾーン
「ココロボ~ド」の実演

川崎 絵美