【2012 International CES】
東芝、有機ELや5.1インチなどのタブレットを参考出品――3G対応も


タブレットを手にする東芝デジタルプロダクツ&サービス社の大角正明社長

 1月10日から開幕する「2012 International CES」に先駆け、8日夕方(現地時間)、東芝が日本の報道関係者向けに説明会を開催した。

 プレスリリースとして発表されたのは、米国市場において、スマートホーム事業へ参入する方針が示されたことで、ホームゲートウェイとクラウド、スマートメーター(通信対応の電力計)を組み合わせて、家庭内の効率的な消費電力利用などをアドバイスするようなサービスを提供する。

 こうした事業を含め、東芝ではタブレット製品が最も重要な位置づけになるとの見方を示す。今回の説明会でも、発売中の10インチタブレットのほか、13インチ、7.7インチ、5.1インチというディスプレイサイズのタブレットを参考出品した。これらの詳細な仕様は未定だが、いずれも日本を含むグローバルにおいて2012年度中の製品化を検討している。
 13インチタブレットは高解像度を志向した製品で、テレビチューナーの搭載を検討中。重さは1kg以下、厚みは1cm以下を目指す。7.7インチタブレットは有機ELディスプレイを採用し、携帯性を追求し、重さ350g以下、厚み8mm以下を目標にする。

13インチディスプレイのタブレット7.7インチ有機ELディスプレイ採用のタブレット

 一方、5.1インチタブレットは、ディスプレイのアスペクト比が21:9、解像度が1360×600ドットで、で、一方の辺が長い形状を採用する。発売中の10インチタブレットを含め、13インチ、7.7インチタブレットは他社製造でOEM供給される端末を東芝として製品化するものだが、5.5インチタブレットのディスプレイは、特殊なサイズで自社で手がけるとのこと。

5.1インチディスプレイのタブレット

 これらのタブレットについて、会見後、東芝デジタルプロダクト&サービス社 営業統括責任者の檜山太郎氏にあらためて尋ねたところ、いずれもAndroidを搭載するほか、3Gによる通信機能についても「これからは必要だと思っている」(檜山氏)と、搭載する方針を明らかにした。

 ただ、ここ最近の東芝製タブレットはWi-Fiのみをサポートするモデルばかりリリースされ、さらに携帯電話端末事業は東芝本体から分離し、富士通東芝モバイルコミュニケーションズとして、事実上、富士通に吸収されている。東芝自身が3G通信に関する開発を行えるのかどうか問われた檜山氏は、3G通信については富士通東芝に製造を委託する可能性に言及した。

 また特殊なサイズのディスプレイは、Webブラウジングする際も横長画面にすることでサイト全体が入り、見やすさが向上するといったメリットが挙げられた一方で、檜山氏はアプリ開発では難しい側面があると指摘している。それらを踏まえた上で、Android系タブレットのグローバルシェア10%を目指し、2012年度後半に登場する見込みのWindows 8を搭載するタブレットの開発も検討するとした。

(関口 聖)

2012/1/9 13:41