【2012 International CES】
カシオ、スマートフォン利用の可視光通信システム


 カシオ計算機は、目に見える光を使う通信技術「可視光通信」とスマートフォンを組み合わせたシステムを開発した。1月10日より米国で開催される展示会「2012 International CES」で参考出品される。

 今回開発されたシステムは、可視光通信によりスマートフォン同士でデータをやり取りできるようにしたもの。可視光通信は、その名の通り、人間の目に見える光(可視光)を点滅して、デジタル信号を送受信する技術。既に普及している無線や赤外線などによるデータ通信と比べ、これからの技術となるが、ディスプレイや証明、看板などの光源をデータの発信元にしたり、人体・電子機器への影響がなかったりするなどのメリットがある。

 カシオでは、業界団体である可視光通信コンソーシアム(VLCC)に設立当初から参加し、CMOSやCCDといったイメージセンサーでデータを受信できるよう技術開発を行ってきたという。今回、そのイメージセンサー通信技術による可視光通信とスマートフォンを組み合わせたシステムを開発した。CESでの展示は、スマートフォンのカメラを起動し、他のユーザーのスマートフォンの画面を映し出すと、画面の点滅とカメラでデータを受信し、相手のプロフィール(メッセージを写真内に表示できる。人物写真を撮影すると同時に、相手の情報もあわせて記録でき、ソーシャルメディアなどでの応用が期待されている。

 1枚の写真で最大5台の情報を受信でき、120文字までのメッセージを写真に含めることができるほか、メールアドレスや電話番号、ソーシャルメディアのIDなどを自動的に登録できる。撮影画像をTwitterに投稿することもできる。

 このほか、LEDやデジタルサイネージを利用し、スマートフォンをそれらの光源に向けると広告などが受信できるシステムも展示される。

 




(関口 聖)

2012/1/10 12:58