【2012 International CES】
クアルコムCOOに「Snapdragon」などの戦略などを聞く


米クアルコムプレジデント兼COOのスティーブ・モレンコフ氏

 11日、米クアルコムプレジデント兼COOのスティーブ・モレンコフ(Steve Mollenkopf)氏は、「2012 International CES」にあわせて国内外の報道関係者との懇談に応じた。昨秋、クアルコム全体を統括する立場にたったモレンコフ氏からは、モバイル製品向けチップセット戦略などが語られた。

 スマートフォンの多くで採用される同社製チップセット「Snapdragon」に関し、最近では他社から複数のコアを搭載する製品が登場していることを問われたモレンコフ氏は、これまでクアルコムでは独自設計でCPU「Scorpion」を開発するなど、最初からモバイルに特化する形で技術を磨いてきた、として、クアッドコアのチップセットは開発しつつも、発熱や消費電力を抑えることは他社より優れており、他社のクアッドコアよりもクアルコムのデュアルコアのほうがモバイル用途として優れている、とした。こうした主張は、単なる処理能力だけではなく、限られたバッテリーで動作するモバイル機器のチップセット開発では、クアルコムに一日の長がある、とするものだ。

 新興国向けチップ戦略を問われると、Snapdragonにおいてもローエンド~ハイエンドまでの製品を用意していると説明。高性能を追求するだけではなく、より低価格なスマートフォンの開発にも対応しているとした。

 TD-LTEについては、もともとクアルコムのチップセットはサポートしているとして、市場の立ち上がりがどういったタイミングになるか不透明ながら、クアルコムとしては準備が整っているとする。また、かつてのGSMから3Gへの移行の速度に比べると、LTEへの移行は世界的により速やかに行われるとの見方も示された。

 このほか、消費電力を抑えたディスプレイ「mirasolディスプレイ」については、台湾に工場を設置し、10億ドルほど投資するとして、その工場が稼働すれば生産力が大幅に向上するとした。

 




(関口 聖)

2012/1/12 11:17