【2014 INTERNATIONAL CES】

カシオ、iPhoneの全通知を受信するスポーツ向けスマートウォッチ

 カシオブースでは、Bluetoothを使ってiPhoneと連携できるスポーツ向けスマートウォッチ「STB-1000」が展示されている。「STB-1000」はアメリカで3月に99ドル(約1万400円)で発売される予定。日本での発売は未定。

STB-1000(STB1000-1JF)
CES公式の情報アプリから通知を受け取ったときの表示

 「STB-1000」は、BluetoothでiPhoneと接続し、通知などの連携が可能なスマートウォッチ。iPhoneが電話やメッセージを受け取ったときなどに、STB-1000でその通知を受信、音やバイブで確認できる。

 STB-1000は、iOS 7が持つ「Apple Notification Center Service(ANCS)」という機能を利用している。ANCSは通知センター(通知画面)の情報をBluetoothに転送するという、iOS 7からの新機能。このANCSを利用するSTB-1000は、アプリの種類を問わず、たとえばLINEなどサードパーティ製アプリの通知も遅延なしに受けられる。

 これまでのBluetooth対応の通知デバイスは、iOS/Android問わず、専用アプリとしか通信ができず、専用アプリがメールやSNSの新着情報を自動確認する仕組みがほとんどだった。こうした仕組みでは通知できる情報の種類が限られ、プッシュ通知に対応できないことも多く、バッテリー消費の増加にもつながっていた。たとえばカシオ製のBluetooth対応G-SHOCKも、既存モデルでは専用アプリからの通知情報しか受けられなかった。

メールの受信通知では送信者の名前が表示された

 しかしiOS 7でANCSが標準化されたことで、今回展示されたスマートウォッチのような製品では、LINEなどサードパーティ製アプリからの通知も遅延なく受けられるようになっている。海外で販売されているスマートウォッチ製品では、ファームウェアの書き換えでANCSに対応する製品も登場している。

 STB-1000がANCS対応できた背景には、カシオがアップルと連携して製品開発を進められたことがあるという。今後はG-SHOCKシリーズの新製品でも、同様にANCS対応が進められていく見込み。

音声通話など、一部の標準的な通知では専用のアニメーションが用意されている。

 iPhoneが通知を受け取ると、すぐにSTB-1000が音声・バイブで通知するとともに、STB-1000のディスプレイ上にANCSで送られてくる通知情報が表示される。漢字表示には対応しないが、ひらがなやカタカナは半角カタカナに変換されて表示される。

 どの通知のどのデータを表示するかなどは、専用アプリで設定する。ANCSを使ってiOS自体から通知を受け取るため、設定が済んでしまえば、専用アプリが立ち上がっていなくても(たとえ削除してしまっても)、STB-1000はiPhoneからの通知を受け取ることができる。

設定アプリの画面

 STB-1000はスポーツ向けと位置づけられているが、STB-1000自体は加速度センサーなどを搭載しない。STB-1000はiPhone自体やiPhoneに接続できる各種フィットネス用デバイスからのデータや通知を表示する。カシオではフィットネス用デバイスを手がけるWahooと提携していて、たとえばWahoo対応の心拍数センサーや自転車用の回転数センサーなどの情報をSTB-1000で確認できる。

 iPhoneの音楽再生機能をSTB-1000から操作することもできる。STB-1000からの遠隔操作でiPhoneのアラートを鳴らす「Phone Finder」の機能も搭載する。また、STB-1000のアラームや世界時計の設定も、iPhoneアプリから行える。各種設定は設定アプリを表示するとSTB-1000から現在の設定情報をダウンロードし、設定が終了するとSTB-1000に設定をアップロードするという同期式になっている。

通知の設定。現状ではANCSで規定されているジャンル名がそのまま使われている
そのほかの設定も専用アプリから行える
アラームの設定画面。

 従来のカシオ製Bluetooth腕時計とは異なり、STB-1000はG-SHOCKブランドではなく、より廉価なスポーツウォッチとして発売される。そのため、防水性能が200mではなく100mになっているなど、一部の仕様が異なり、G-SHOCKよりも安い100ドル未満の価格が設定されている。

裏面には日本の技術適合認証マークも刻印されていた

 これまでのBluetooth対応G-SHOCKは、日本で先行発売されていたが、STB-1000はランニングやサイクリングなどのスポーツが普及している米国市場でまず発売される。日本での発売については検討中とのこと。現時点でも半角カタカナに対応しているほか、日本での無線通信機器としての認証も取得済み。

 大きさは52.5×47.0×15.5mm、重さは55g。電池は充電式ではなく普通の腕時計と同様の交換式で、ボタン電池(CR2032)で毎日12時間リンクし、1日10件の通知などを行った場合、約2年間利用できるという。

ブラッグ/オレンジのSTB1000-4JF

 ブースではブラック/グレイのSTB1000-1JFとブラック/オレンジのSTB1000-4JFの2種類が展示されていたが、ブラック/グレイのモデルが先行して発売される予定とのこと。

 なお、STB-1000は通知とフィットネス機器との連携など、OS・ハードウェアに深く結びついた機能を実装するためにiOS機器に特化して作られているため、Android端末には対応しない。AndroidではANCSのような仕組みが現状はまだなく、STB-1000のように全通知を受信できるようにするには、Androidの“深い層”にアクセスするソフトウェアが必要になり、対応機種のサポートが難しいという。

 カシオのブースでは、STB-1000以外にもBluetooth対応G-SHOCKシリーズも展示されていた。

Android端末(GALAXY)と連携させるデモも行われていた
ステージ上ではG-SHOCKを使った音楽操作のデモも行われていた

(白根 雅彦)