【2014 INTERNATIONAL CES】

日本メーカーも出展、タブレットやモバイル向け液晶パネルなど

 2014 International CESには、パナソニックや東芝、シャープといった日本の家電メーカーも出展している。イベント全体としては、大画面テレビなどへの注目度が高く、日本メーカー各社も大画面テレビの展示に力を入れている。ただ、一部でモバイル製品も展示されている。

パナソニックは大小さまざまなタブレットを展示

FZ-M1

 パナソニックブースでは、CESに合わせて発表されたWindowsタブレット「Toughpad FZ-M1」など、大小さまざまなタブレットが展示されていた。

 FZ-M1は、堅牢性をセールスポイントにしたタフブック/タフパッドシリーズの最新モデル。シリーズとしては初めての、7インチのWindowsタブレットとなる。IP65の防塵・防水性能に加え、MIL-STD-810Gの耐衝撃性能も持つ。プロセッサーにはCore i5 vPROを搭載。業務向けのモデルで、カスタマイズ構成によって価格は変わるが、3000ドル(約31万円)程度とのこと。GPSやWi-Fi、NFC、RFIDに対応するほか、4G LTEなどのオプションも用意される。

FZ-M1の上面
FZ-M1の専用キーボードドック
UT-MA6

 20インチ、4K解像度のWindowsタブレットの新モデル「Toughpad 4K UT-MA6」も展示されていた。こちらは発表済みのモデルに比べると、CPUとGPUが強化され、有線LANへの対応など、スペックを向上している。主にCADなどの分野での業務向け製品で、価格は標準構成で6999ドル(約73万円)。今春から出荷が開始される。防水性能はないものの、縁にカーボンファイバー製のフレームが採用されるなど、ある程度の堅牢さは確保されている。

専用ペンのペン先。カメラが内蔵されている

 ブースでは、UT-MA6の別売りペン入力のデモも行われていた。このペンは紙面などに印刷された目に見えないデジタルドットパターンをカメラで読み取り、ペン先の絶対座標を検出する、Anoto社の技術を使っている。デジタルドットパターンはUT-MA6の液晶の配線部分に施されているため、ペン対応によって液晶の性能が落ちたり厚みが増したりはしていないが、デジタルドットパターンの印刷にはそれなりのコストがかかっているという。

特殊デバイスでの操作デモ。アクリルを回転させると画面上のオブジェクトも回転していた

 アクリルに金属部品を埋め込んだ特殊デバイスで、UT-MA6を操作するデモも行われていた。これは金属部分がタッチパネルディスプレイに反応し、それを指先ではなく指定されたデバイスだと認識することで、特殊なコマンドを実行するというソフトウェア処理。現時点では開発中の技術だという。

 このほかにもパナソニックブースでは、スマートフォン向けのBluetoothスピーカーや骨伝導ヘッドセットなども展示されていた。

防滴・防塵・耐衝撃・耐温度のBluetoothスピーカーSC-NT10。アメリカで80ドル程度で販売中
USBバッテリ機能も搭載するBluetoothスピーカー新製品のSC-NJ03。アメリカの直販サイトで89.99ドルで予約受付中
Bluetoothスピーカー新製品SC-NA10。日本でも販売されている
Bluetoothスピーカー最上位機種、2.1ch仕様のSC-NA30。こちらも日本でも発売中
骨伝導スピーカー内蔵のBluetoothヘッドセットRP-BTGS10
RP-BTGS10の詳細

安価なChromebookを展示する東芝

東芝製Chromebook

 東芝ブースでは、同社初となるChromebookが展示されている。ChromebookはGoogleによるパソコン向けOS「Chrome OS」を搭載したノートパソコン。米国で市場シェアを伸ばしている。アメリカで2月より279.99ドル(約2万9000円)で販売される。CPUは最新世代(Haswell)のインテル製「Celeron 2955U」、ディスプレイは13.3インチ、1366×768ドットとなり、ストレージは16GB。100GBのGoogleドライブ利用権が付属する。

参考出展されていたウェアラブルデバイス

 東芝のブース内では、ウェアラブルデバイス「Smart Bracelet」も展示されていた。こちらはとくに説明はなく、ケース内の参考出展という形式だった。このほか東芝ブースではWindowsタブレットの「encore」なども展示されていた。

Windowsタブレットencore
encoreについて

IGZO液晶をアピールするシャープ

IGZO展示のひとつ。14インチで3200×1800ドットの高精細パネル

 シャープブースは大型テレビのAQUOSシリーズが展示の主役となっているが、一方でIGZO液晶の展示も行われていた。さまざまなサイズ・解像度のパネルが紹介され、実際にIGZOを採用した各社のノートパソコンも展示。IGZOの省電力性能や高精度なタッチ操作性能などをアピールするコーナーも用意されている。

静止画表示で電力消費が減ることをアピール
高いタッチパネル精度により、普通の鉛筆の先で操作できることを紹介
IGZO採用の各社のノートパソコン
31.5インチ4Kパネル
MEMSディスプレイの展示

 左右から別々の映像が見える車載向けの液晶、微細な機械構造で映像を表示するMEMSディスプレイ、超狭額縁な液晶ディスプレイも展示されていた。

左から見ると映像、右から見ると車両データが表示される液晶(写真はほぼ中央からで重なって見える)
12.5インチ2560×1440ドットの狭額縁ディスプレイパネル

白根 雅彦