【CommunicAsia2011】
ドコモ、ファーウェイ、ノキア、RIMなどが製品・サービスを紹介


CommunicAsiaの会場は、ソフトバンクのCMでもおなじみの「マリーナ・ベイ・サンズ」

 シンガポールでは、21日から24日にかけ、通信関連の総合展示会「CommunicAsia2011」が開催されている。初日にあたる21日には多数の来場者が訪れていた。ここでは、数あるブースの中から、日本のユーザーに関連しそうな話題をピックアップしてお届けする。


 

NFCやARを出展、海外からのコンテンツ収集にも積極的なドコモ

ドコモブースの様子

 ドコモは、NFCやAR(拡張現実)といった、サービスやソリューションを中心に、ブースを構成していた。

 CommunicAsiaで初披露されたのが「Mobile AR」で、会場には2つのゲームを展示。1つがGALAXY Tabを使ってバーチャルな地球儀を完成させるゲームで、2台の端末がBluetoothでつながっており、共同作業にも対応する。もう1つがフィーチャーフォンを使った釣りゲーム。こちらも、2台の端末を使った対戦が可能となっている。どちらも、カメラでマーカーを読み取り、ディスプレイに映像を表示させる仕組みだ。リリースに関しては未定だが、ドコモは、こうした技術を応用したサービスにつなげたいとしている。すでに、みずほ銀行と共同で銀行を探す「店舗・ATM検索」アプリを投入しているが、このような外部との取り組みにもつなげていきたいようだ。


2つの端末はBluetoothでつながっている地球儀にピースを交互にはめていくゲーム
iモード端末では釣りゲームを展示端末を振って魚を釣り上げる

 

 NFCについては、スペインで開催された「Mobile World Congress」などと同じデモを行っていた。来場者の関心も高く、シンガポールの通信担当大臣やITUの事務局長などが足を運び、担当者の説明に耳を傾けていた。ドコモでは、2012年を目処にNFCとFeliCaの共用を目指しており、対応端末も導入する予定だ。KT Corporationや、Visa、gamalto、サムスン電子など、幅広いプレイヤーと共同で国際的な仕組みを構築しようとしている。ドコモがおサイフケータイで培ってきた運用などのノウハウは「GASMのガイドラインにも採用された」(担当者)という。日本や韓国では、ケータイを利用した非接触ICサービスが普及していることもあり、この経験を活かして世界の見本を目指す構えだ。会場では、「LYNX 3D SH-03C」で、クーポンの取得から電子マネーを使った決済までを一貫して行えることをアピールしていた。

NFC端末でリーダーライターからクーポンを取得クーポン利用から決済まで一貫して行える
ドコモブースにはVIPも多数訪れた

 

 国際的なイベントとあって、海外関連の展示も多かった。「ドコモマーケット」のコーナーでは、ドコモが買収したドイツのネット・モバイルの担当者が常駐しており、アプリの配信を呼びかけていた。ネット・モバイルの担当者によると、すでにドコモマーケット内に「世界のアプリ方」というコーナーがあり、そちらで海外開発者・企業のアプリを紹介しているという。ドコモは、このような取り組みを通じて、世界の先進的なスマートフォン向けアプリを取り揃えていく構えだ。

海外の開発者に、ドコモマーケットへの参加を呼びかけていた海外の開発者が作ったアプリを紹介するコーナー

 

 このほか、ドコモブースには、日本ではすでにサービスインしている「ドコモドライブネット」や電子書籍サービス、コネクサス・モバイル・アライアンス、マルチバンド電力増幅器などについてのコーナーがあった。さらに、フランスなどで展開している「MANGA MODE」も出展。これは、海外のフィーチャーフォンやスマートフォンで、日本のマンガを読めるサービスで、ドコモの欧州現地法人が現地キャリアを通じてコンテンツを提供している。担当者によると、CommunicAsiaで展示したのは、海外のキャリアにアピールする狙いがあるという。

「ドコモドライブネット」は最新モデルの「Xperia acro」でデモを行っていた海外向けの電子書籍サービスで、フィーチャーフォンにも対応。スマートフォンでも利用できる
震災対応を解説したパネルも用意。海外の支援や協力にも感謝の意を表していた

 

ファーウェイはAndroid 3.2搭載の「MediaPad」やおなじみのスマートフォンを展示

 ファーウェイのブースには、20日に発表した「Android 3.2(Honeycombの最新版)」を採用した「MediaPad」が展示されていた。この機種は、7インチに最適化したというAndroid 3.2を搭載しており、重量も約390gと非常に軽い。CPUはデュアルコアの1.2GHzで、クアルコム製となっている。HDMI端子や5メガピクセルカメラも搭載する。

ファーウェイブースの様子Android 3.2を初採用して話題を呼んでいる「MediaPad」

 

 また、ファーウェイはスマートフォンやフィーチャーフォン、Wi-Fiルーターなども出展していた。日本ではイー・モバイルが「Pocket WiFi S」「Pocket WiFi SII」として取り扱っている端末のグローバル版にあたる、「IDEOS U8150」や「IDEOS X3」などが置かれていた。Wi-Fiルーターのコーナーには開発中のモデルも公開されていた。中でも注目を集めていたのが、Wi-Fiルーターにタッチパネルを搭載しゲームなどを遊べる「Mobile WiFi Touch」で、「来年の発売を目指して開発を進めている」(担当者)という。

「Pocket WiFi S」のベースになった「IDEOS U8150」「IDEOS X3」は、イー・モバイルが「Pocket WiFi SII」として発売する
Wi-Fiルーターにゲーム機能などを付加した開発中の端末フィーチャーフォンコーナーも用意されていた

 

「MeeGo」を採用した「N9」をアピールするノキア

ノキアブースの様子

 ノキアは、21日に「MeeGo」を搭載した「N9」を発表。ブースには実機が展示されており、ユーザーインターフェイスなどを試すことができた。

 MeeGoとは、LinuxベースのOSで、インテルが主導してきた「Moblin」とノキアの「Maemo」を統合したプラットフォームのこと。昨年のMobile World Congressで発表されていたものの、ノキア製の端末はまだ投入されていなかった。N9は、静電容量式のタッチパネルを搭載したスマートフォンで、CPUは1GHz。8メガピクセルカメラや、ドルビーモバイルなどに対応する、本格的なエンターテインメント機に仕上がっている。会場の担当者によると、間もなくグローバル市場に投入される予定だ。


「MeeGo」を採用したスマートフォン「N9」アプリ、機能の一覧はこのように表示される
横にフリックすると、タスク一覧などに画面が切り替わる背面のデザイン。カメラは8メガピクセル

 

「BlackBerry Bold 9900」や「PlayBook」を展示するリサーチ・イン・モーション

 リサーチ・イン・モーションのブースには、「BlackBerry Bold 9900」や「PlayBook」といった、同社の最新スマートフォン、タブレットが展示されていた。

 BlackBerry Bold 9900は、「OS 7」を採用した最新端末で、「アジア市場にも間もなく投入される予定」(担当者)だという。ディスプレイは静電容量式のタッチパネルとなり、トラックパッドとタッチの両方で操作できる。「NFCに対応しているのも、OS 7からの特徴」だという。

リサーチ・イン・モーションは「BlackBerry」という名前でブースを開設最新OSを搭載し、NFCにも対応した「BlackBerrry Bold 9900」

 

 PlayBookは米国などで発売されている7インチのタブレット端末。タブレット向けのOSを搭載しており、通信機能はWi-Fiのみとなる。23日からシンガポールでも発売されるためか、ブースは現地の関係者やメディアでにぎわっていた。

7インチのディスプレイを搭載した「PlayBook」

 

 このほか、ZTEもブースを構えており、日本通信が販売する「Light Tab」の後継機などを展示してた。

ZTEもブースを出していたが、端末コーナーでの撮影は禁止されていた

 




(石野 純也)

2011/6/21 21:06