【Embedded Technology 2009】
Android搭載STBとスマートフォンをTransferJetで連携


 Open Embedded Software Foundation(OESF)のブースでは、KDDI研究所はAndroid搭載セットトップボックス(STB)とAndroid搭載のスマートフォンを連携させたデモンストレーションを行っている。

 展示されたAndroid対応STBは試作モデルとなり、技術検証に近いものとなる。STBはAndroid 1.5が採用され、非接触IC技術であるTransferJetが搭載されている。ブースでは、STB側でダウンロードした音楽データを、同じくTransferJet対応Andoroid端末(スマートフォン)に転送するデモが行われた。スマートフォン側で撮影した写真データなどをSTBに転送するなどを相互にコンテンツのやりとりができる。

 ブースの担当者によれば、STBと携帯機器側で同じAndroidプラットフォームを活用することで、アプリ配信プラットフォーム「Android Market」を介して、携帯電話でもSTBでも楽しめるコンテンツが提供できるなど、固定通信網と携帯網の連携したコンテンツなどにも期待できるという。また、同じプラットフォームであれば、アプリ開発コストの低減などにも期待できるというわけだ。

 ただし、現状ではSTBでのアプリ利用に関するガイドラインは存在しておらず、スマートフォンのタッチ操作のみを想定したアプリは、STB上で利用できないなど課題も多いという。KDDI研究所では、OESFのSTB作業部会の中でガイドラインの策定も含めた検討を行っていくという。

 なお、KDDI研究所の親会社にあたるKDDIでは、STB「au BOX」を提供している。ブースの担当者によれば「今回のAndroid対応STBが、直接au BOXなどに繋がるわけではない」とのことだが、市場の要望などが高まると技術検証の結果が活用されることになるという。


 



(津田 啓夢)

2009/11/19/ 20:26