【IFA2014】

LG、本物志向でラウンドディスプレイ採用の「G Watch R」を初披露

「G3」の派生モデルも登場

 LGエレクトロニクスは、4日(現地時間)、ドイツ・ベルリンのIFAに合わせてスマートウォッチの「G Watch R」や、スマートフォンの「G3」派生モデルを公開した。

金属やレザーを使って高級感を高めた「G Watch R」

円形の「P-OLED」を採用した「G Watch R」

 G Watch Rは、グーグルのウェアラブル端末向けプラットフォーム「Android Wear」を採用したスマートウォッチ。LG製としては第2弾となり、「クラッシックな時計をモチーフにした」(担当者)という、ラウンド形状のデザインが特徴だ。

 素材使いも本物志向。ベゼルには金属を、バンドにはレザーを採用しており、腕時計と同様、バンドは交換することもできる。世界初の円形「P-OLED」を採用しており、有機ELの特徴を活かした省電力モードも搭載する。これは、有機ELがブラック表示時に電力を消費しないという特徴を生かしたもので、時刻など、最小限の情報だけをホワイトで表示。LGでは、これを「Ambient Mode(アンビエントモード)」と呼ぶ。

男性用腕時計と比べるとやや大きいが、ファッション用時計にはこれくらいのサイズのものもあり、許容範囲と言える
盤面のデザインは変更することができる
レザーベルトや金属ベルトをつけたところ

 通常時の消費電力130mWなのに対し、アンビエントモードでは13mWと1/10になっている。バッテリーは410mAhを搭載。端末内にはクアルコムの1.2GHz駆動「Snapdragon 400」を内蔵するほか、BlutoothとWi-Fiのチップも搭載されている。

表示部を最小限にしてバッテリーを節約する「Ambient Mode」。消費電力は1/10になる

 Android Wearとして通知を受けたり、腕元でナビゲーションを見たりといったことが可能。時計のデザインも複数用意されたものから選択できる。

Android Wearとしての機能ももちろん備える

 ただし、LGエレクトロニクスのブースには、操作可能なG Watch Rは置かれていなかった。上記のように、チップセットを内蔵していることからWi-Fiでの通信にも対応していると思われるが、独自の機能は使うことができず、端末はAndroid Wearの機能を一通り紹介するデモモードになっていた。LG関係者によると、こうした制限はグーグルとの取り決めによってかけられたものだという。

 なお、前日に発表されたASUSの「ZenWatch」や、ソニーの「SmartWatch 3」も同じくデモモードのみの展示で、各端末の独自機能は利用できなかった。複数関係者の情報によると、Android Wearは近日中のバージョンアップを控えており、これを適用することで利用が可能になるとのことだ。新バージョンのAnroid Wearはグーグル主導で発表されると見られる。

「G3」派生モデルや、ミッドレンジ端末も発表

 日本でKDDIが販売する「isai FL」のベースとなった「G3」の派生モデルも展示された。

G3の派生モデルやLシリーズの新機種が紹介された

 G3にスタイラスを搭載したモデルが「G3 Stylus」。IFAに合わせる形で、8月27日に発表された派生モデルだ。ペンは本体上部に収納できる形で、メモやジェスチャー操作を行える。デザインはG3に近く、特徴的な背面ボタンを搭載。一方で、ディスプレイやチップセットのスペックはフラッグシップであるG3から大きく落とされている。ディスプレイは960×540ドット、チップセットは1.3GHz駆動となる。

スタイラスを内蔵する「G3 Stylus」

 G3のコンパクト版と言えのが、「G3 S」。5.5インチのディスプレイを搭載していたG3に対し、G3 Sはインチで解像度はHDとなる。カメラにはレーザーオートフォーカスを搭載するなど、コンパクトだが一部の機能はG3と共通だ。これに対し、逆にディスプレイを大きくしたのが「G Vista」。5.7インチ、HDのディスプレイを搭載しており、1.2GHz駆動のクアッドコアプロセッサーを採用する。

コンパクト版の「G3 S」。写真左の「G3」より、一回り小さい
逆にG3より0.2インチディスプレイが大きく、スペックを抑えたのが「G3 Vista」

 GシリーズがLGの最上位ラインな一方で、同社は普及価格帯の製品としてLシリーズを用意している。その最新モデルとなるのが、「L Fino」と「L Bello」。前者は4.5インチのWVGAディスプレイを搭載したモデル、後者は5インチのフルWVGAディスプレイを搭載する。いずれのモデルもGシリーズで特徴的だった背面ボタンは継承されている。

Lシリーズの「L Fino」と「L Bello」も用意

石野 純也