【IFA2015】

ソニー、世界初4Kディスプレイ搭載「Xperia Z5 Premium」など3機種発表

 ソニーモバイルコミュニケーションズは、9月2日(現地時間)、ドイツ・ベルリンで開催されるIFAに合わせ、Xperiaシリーズの新機種「Xperia Z5 Premium」「Xperia Z5」「Xperia Z5 Compact」を発表した。

世界初5.5インチ4Kディスプレイを搭載「Xperia Z5 Premium」
Xperia Z5 Premium
Xperia Z5
Xperia Z5 Compact

カメラのセンサーを一新し、指紋センサーにも対応

 新たに発表された機種はサイズが異なる3つのフラッグシップモデルで、いずれもチップセットには「Snapdragon 810」を、カメラには2300万画素のCMOSセンサー「Exmor RS for mobile」を搭載するなど、ベースとなる機能は共通している。XperiaシリーズではXperia Z1からZ4まで、同じCMOSセンサーを採用していたが、Xperia Z5シリーズではこれを刷新した。

カメラはセンサーを一新した

 オートフォーカスの速度も特徴で、位相差AFとコントラストAFの両方を使い、わずか0.03秒でピントが合うのが特徴だ。最大5倍のデジタルズームをクリアに補正する機能や、暗所での撮影能力も、従来のXperiaから向上しているという。

位相差AFとコントラストAFを併用し、わずか0.03秒でピントが合う

 アルミ素材を採用した円形の電源ボタンがアイコンになっていたXperiaシリーズだが、Xperia Z5シリーズからはこれも一新。よりフラットな細長いボタンになっており、指紋センサーも搭載する。指紋センサーはiPhone 6、6 PlusやGalaxy S6、S6 edgeに搭載されているもののように、指を置くだけですぐにロックを解除することができた。

電源ボタンに指紋センサーが内蔵された
指を置くだけで読み取りが可能

 これらの機能が共通している一方で、ディスプレイのサイズ、解像度は機種ごとに異なっている。Xperia Z5 Premiumは、世界初となる5.5インチの4Kディスプレイを搭載。Xperia Z5は5.2インチのフルHDで従来モデルを継承しており、同様にXperia Z5 Compactは4.6インチのHDとなる。

手になじむサイズ感の「Xperia Z5 Comapct」
5.2インチと、従来モデルと同サイズ、同解像度の「Xperia Z5」
4Kディスプレイを搭載した5.5インチの「Xperia Z5 Premium」
会場には、4Kディスプレイの性能を表す展示もあった。近寄って見ても、肉眼ではドットをまったく認識できない
写真左の右下の部分に写っている蝶を拡大してみたが、それでもドットを認識できない

 メモリ(RAM)もXperia Z5 Premium、Z5が3GBなのに対し、Xperia Z5 Compactが2GBとなっている。サイズの違いにはバッテリー容量も比例しており、Xperia Z5 Compactが2700mAh、Z5が2900mAh、Z5 Premiumが3400mAhとなっている。いずれの機種も、最大200GBのmicroSDXCに対応する。

 デザインのテイストはシリーズで共通しているが、背面の処理や素材感が異なっている。Xperia Z5には、つや消しのフロストガラスが採用されており、フレーム部分との一体感がさらに増している。これに対してXperia Z5 Premiumは、高級感を出すことを狙い、背面には光沢感のある処理が施されている。

つや消しのフロストガラスを採用した「Xperia Z5」に対し、「Xperia Z5 Premium」は光沢がある素材を採用

 サイズ、重量はXperia Z5 Premiumが154.4×75.8×7.8mm、180g、Xperia Z5が146×72×7.3mm、154g、Xperia Z5 Compactが127×65×8.9mm、138g。

幅広いニーズに応えるXperiaの3機種展開

Xperiaを紹介するソニーの平井CEO

 プレスカンファレンスには、ソニーのCEO、平井一夫氏が登壇。4K対応テレビ、カメラといった製品紹介に続き、ソニーのイメージセンサーが幅広いスマートフォンメーカーに採用されていることを紹介した。その需要は非常に高く、3年後には現状の1.5倍の規模に成長させる予定であるという。

4Kテレビ、カメラに続き、イメージセンサーに強みを持っていることを解説。その流れの中で、Xperia Z5シリーズが発表された

 カメラやイメージセンサーに強いソニーが、そのノウハウをスマートフォンに結集させ、「ユーザーの不満に応えた」(平井氏)というのが、Xperia Z5シリーズだ。開発には、「ソニーモバイルと『α』のチームが協力した」(同)といい、先に挙げた高速オートフォーカスや暗所での撮影性能を紹介した。

 プレスカンファレンス終了後には、平井氏が日本メディアの報道陣からの質問に答えた。スマートフォンやその周辺分野に関する回答は、以下の通りとなる。

――Xperia Z5シリーズを3モデル、一気に発表した意図は?

平井氏
 以前もバリアント(派生モデル)は出しているが、今回は違うサイズ、違う用途で、ただしベースにあるソニーの素晴らしい技術は使っていくということで、3機種を用意した。

――ユーザーが多様化しているということか。

平井氏
 サイズを重視する、大きくてもいいから画質を重視するというようなお客様もいる。なるべく幅広いお客様に応えられるラインナップを用意した。

――SAP(Sony Seed Acceleration Program)については、どうしていくのか。

平井氏
 今はいろいろなアイディアを市場に出すことで、打率を上げていく。まだ先のものもあるし、不動産ビジネスのように、早く立ち上がっているものもある。

――サムスンなどはIoTに力を入れているが、白物家電をやっていくということはあるのか。

平井氏
 特に今アクションがあるわけではないが、IoTを軸にして、既存のビジネス分野でも、ソニーとしてのイノベーションがあれば参入する。

SAPから生まれた、スマートウォッチの「wena wrist」。文字盤部分は通常の時計で、ベルト部分にスマートフォンの通知を表示するライトや、FeliCaチップを搭載する

石野 純也