【IFA2015】

「G4」シリーズや巻けるキーボードを出展したLG

 IFAに合わせたスマートフォンの発表はなかったLGエレクトロニクスだが、同社のブースにはフラッグシップモデルの「G4」や、その廉価版、派生モデルなどが展示されていた。また、8月に発表された巻物型のBluetoothキーボードが出品されており、その使用感を確かめることができた。

 G4は、日本でauから発売中の「isai vivid」のベースになったグローバルモデル。充実したマニュアル撮影モードを備えるカメラや、WQHDのディスプレイなど、基本となる機能はG4とisai vividで共通している。このG4には、スペックを落とした廉価版や、派生モデルが存在する。LGのブースには、これらの端末が一堂に会していた。

LGのフラッグシップモデルのG4。背面のカバーは取り外すことができ、本革のものも用意する
マニュアルモードを充実させたカメラを搭載。ブースには、サムスンのGalaxy S6との比較コーナーがあった

 G4シリーズの中で、もっともスペックの低いモデルが、「G4c」。5月に発表されており、チップセットは1.2GHz駆動のSnpdragon 410を採用する。ディスプレイは5インチで、720×1080ドット。G4シリーズに共通する、背面キーを備え、カバーのデザインもG4のテイストを踏襲する。5インチだが、G4と比べるとコンパクトで、手に持ちやすい印象を受けた。

G4の廉価版的な位置づけとなる、ミッドレンジモデルの「G4c」
ミッドハイ程度のスペックを備える「G4s」。「G3 Beat」の後継機的存在とも言える

 このG4cより一回り大きいのが、5.2インチのフルHDディスプレイを採用した「G4s」。この名称は欧州市場のもので、他の国では「G4 Beat LTE」と呼ばれている。位置づけとしてはG4の派生モデルで、KDDIの子会社であるKDDIバリューイネイブラーが取り扱う、「G3 Beat」の後継機という形になる。チップセットにはオクタコアのSnapdragon 615を採用しており、カメラはレーザーオートフォーカスに対応する。

 より大型の、5.7インチHDディスプレイを搭載し、ペン入力に対応したのが「G4 Stylus」だ。ペンは端末上部に収納でき、「Quick Memo+」というメモ帳機能も備えているのが特徴だ。コンセプト的にはGalaxy Noteシリーズに近いものだが、同端末はミッドレンジモデルをペンに対応させたという点が大きな違いとなる。チップセットにはSnapdragon 410を採用する。

スタイラスペンを収納できる、「G4 Stylus」
サッと手書きメモを取る際に、便利な機能だ

 ペンは電磁誘導方式などではなく、一般的な静電容量式に対応したもの。こうしたペンより書き心地は劣るが、ペン先が細いため、それなりに文字をしっかり書くことはできた。

巻物のようにグルグル巻きにできる「Rolly Keyboard」

 このほか、LGのブースには、IFAに合わせて発表された「Rolly Keyboard」が展示されており、その打ち心地を試すことができた。Rolly Keyboardは、巻物のようにコンパクトにキーボードを折りたためるギミックが採用されており、スタンドも内蔵。ここにタブレットを立てかけ、PCのように使うことができる。

スタンドも内蔵しており、タブレットを立てかけることが可能だ
キー1列ごとに折り曲げていく仕組み。完全に折り曲げると、棒状になる

 キーボードはBluetooth方式のため、LG以外のスマートフォン、タブレットとも連携が可能となっている。折りたためるキーボードは他社からも発売されているが、Rolly Keyboardはキーストロークが深く、ノートパソコンのような打ち心地を実現していた。持ち運びやすく、キーの打鍵感にこだわる人には、うってつけの製品と言えるだろう。ただし、巻けるギミックを採用した結果、キーの行間が一般的なキーボードよりも空いている点は、慣れが必要だと感じた。

 なお、LGのブースに展示されていたRolly Keyboardは、すべて英字配列となる。LGエレクトロニクスによると、日本での発売は未定とのこと。仮に発売することになった場合、日本語配列に対応させるなどのローカライズも必要になりそうだ。

石野 純也