【IFA2015】

IFAで見た「iPhone 6s」「iPhone 6s Plus」

「iPhone 6s」「iPhone 6s Plus」のケースは、中国企業が一堂に会するホールや、iPhone関連の周辺機器メーカーが集まる「iZone」というコーナーに置かれていた

 ここ数年、IFA会期後半とバッティングしているのが、iPhoneの発表だ。このタイミングをビジネスチャンスと捉えた周辺機器メーカー各社は、事前情報を元に作成したケースや保護フィルムなどを出展していることが多い。メーカーによっては、どこから出回ったのかが分からないモックアップを展示しているなど、用意周到さがうかがえる。

 一方で、今年のiPhoneは、例年通りのパターンだとマイナーチェンジモデルになる可能性が高い。フルモデルチェンジから1年目の新機種では、見た目や画面サイズなどはほぼ変わらず、中身をブラッシュアップするのが恒例になっている。そのためもあってか、今年のIFAでは昨年より、大々的に新iPhoneのケースを出展するメーカーの勢いがなくなっているように感じられた。

iPhone 6s対応をうたうケースの数々

 とは言え、そこはやはり全世界で発売されるiPhone。ケースメーカーにとってのビジネスチャンスも大きい。いくつかのケースメーカーは、今年もモックアップを展示していたり、「iPhone 6s」「iPhone 6s Plus」対応をうたうケースを出展していたりした。これらのメーカーの話を総合すると、新しいiPhoneの姿がおぼろげながら見えてくる。

 ほとんどのブースの説明員の話で共通していたのが、わずかにサイズが大きくなるということだ。説明員によって話はまちまちだが、厚さが0.2mm増すというのは共通していた。幅も0.2mm程度大きくなるというメーカーもいたが、どの程度の変化かは話を聞く説明員によってまちまち。完全な情報は、ケースメーカーにも行き渡っていないようだ。

 そのため、iPhone 6s、iPhone 6s Plus対応をうたうほとんどのケースが、わずかなサイズの差を吸収できるソフトケースとなっていた。中には、ハードケースの内側に柔らかい素材を入れ、サイズ差を吸収できるような作りにしているものもあった。これらの情報を聞く限りでは、端子やカメラの位置自体はiPhone 6、iPhone 6 Plusと変わらないようだ。モバイルバッテリーメーカーもLightning端子のものを出品しており、ここがUSB Type-Cに切り替わるということもなさそうだ。また、ウワサされている廉価版のケースも、IFAには出展されていなかった。

iPhone 6s対応をうたうケースに筆者のiPhone 6を入れてみたところ、ピッタリ収まった。ソフトケースなら吸収できるほどのサイズ差ということのようだ
ソフトな素材を内側に入れ、サイズ差を吸収しているバンパー

 形状が「iPhone 5」「iPhone 5s」から大きく変わる見られた昨年とは打って変わり、モックアップの展示も少なかった。ただし、あるメーカーは「ローズゴールドが出る可能性が高い」と明言。ローズゴールドのモックアップをバンパー型のケースに入れて展示していたほか、ブースのビジュアルにも、大々的にローズゴールドモデルを採用していた。

モナコのケースメーカーは、ローズゴールドのビジュアルを大々的に使用していた
同メーカーはモックアップも用意していた。ただし、このモックアップはあくまで色味の見本とのこと。サイズはiPhone 6のままであった

 もちろん、これらはアップルが公式に発表した情報ではない。この記事も、あくまでIFAに出展していたケースメーカーが、どのような予想をしているのかを捉えるためのものだ。また、いくつかのメーカーは確たる情報をつかんでいるようだったが、確証がないまま、とりあえず対応ケースを出展しているメーカーもあったことは付け加えておきたい。いずれにせよ、“答え合わせ”の時間まで、あとわずか。アップルの発表を、期待して待ちたい。

iPhone 6、iPhone 6s Plus対応をうたうケースのほとんどが、ソフトケースだった。サイズ差を吸収しづらいハードケースは、より採寸がシビアになるため、発表後を待って開発に着手するところが多いそうだ

石野 純也