【Mobile World Congress 2012】
クアッドコア搭載スマホや次期Windows Phoneを発表したZTE


 ZTEは、28日にプレスカンファレンスを開催し、クアッドコアの「Tegra3」を搭載した「ZTE Era」や、次期Windows Phoneの「ZTE Orbit」など、多数の機種を発表した。これらの端末の一部は、Mobile World CongressのZTEブースにも展示されている。

ZTEのEVP、Head of Terminals Division、He Shiyou氏VP Terminas、EuropeのFan Jiongyi氏が、端末の詳細を解説した
Mifavor UIという独自のUIも開発している。デザインは社内チームで行った

 会見に登壇したEVP(エグゼクティブ・バイスプレジデント)、He Shiyou氏によると、同社は、2015年までにトップ3のベンダーになることを目標に掲げている。実際、「欧州では400%、米国では100%、スマートフォンが伸びている」(同氏)と、ここ数年の成長率は非常に高い。Shiyou氏は「ZTE Blade」や「ZTE Skate」といったモデルがヒットしたことにも触れた同氏は、「成功の秘訣は、マーケットやオペレーターごとにカスタマイズを行っているため」だと語った。一方で、同社は「ハイエンドマーケットにも移っていきたい」とし、「Mifavor UI」という独自ユーザーインターフェイス(UI)の開発にも積極的だ。会見では、LTEサービスや、クアッドコアCPUなど、最新の技術をサポートしていく方針も語られた。

現在急成長中のZTE。2015年までにトップ3のメーカーになる目標も語られたZTE BladeやZTE Skateは、世界中でヒットしているモデルだという

 このような戦略の中で投入されるフラッグシップモデルが、1.3GHzでクアッドコアの「Tegra3」を搭載したZTE Eraだ。OSにはAndroid 4.0を採用し、QHDディスプレイや800万画素カメラも内蔵されている。ハイスペックながら7.8mmと薄型なのもポイントといえるだろう。さらに、より大きな4.5インチのHDディスプレイが特徴となる、「ZTE PF112 HD Handset」という端末も準備しているという。また、ヒットモデルのZTE BladeやZTE Skateの後継機にあたる「ZTE Skate Acqua」「ZTE Kis」「ZTE Blade II」「ZTE Mimosa X」の4機種も公開された。これらのモデルは欧州に投入される予定で、一部はAndroid 4.0を採用している。

ブースに展示されていたZTE Era。電源は入らなかったZTE Eraのスペック。Tegra3に対応し、薄型なのが特徴だ
デュアルコアCPUを採用したAndroid 4.0のZTE Mimosa XZTE Skate Acquaは、1GHzのシングルコアプロセッサにAndroid 2.3を採用しているが、ブースの実機ではAnroid 4.0と説明されていた
3.5インチとコンパクトなZTE Kisも、Android 4.0を内蔵しているHDディスプレイを搭載したハイエンドなスマートフォンも開発中

 LTE対応のスマートフォンは米国向けに準備しており、「ZTE N91」や「ZTE PF200」を発表した。米国以外への展開について、VP(バイスプレジデント)のFan Jiongyi氏「インフラの環境に合わせていく」という方針を示す。日本でも「もちろん発売したい」(同氏)といい、端末投入の意欲をのぞかせた。一方でTD-LTE版についても、開発を進めているというが「日本で出せるかはソフトバンク次第」とした。

LTE対応のスマートフォン2機種ZTE N91は実機がブースに置かれていた。UIはAndroid 4.0標準のものが表示された
TangoバージョンのWindows Phoneを採用した、ZTE Orbit

 さらに、ZTEはWindows Phoneにも注力していく。同社はすでに「ZTE Tania」という端末を発売済みだが、新たに「ZTE Orbit」という端末もラインナップに加わる。このモデルは「クアルコムの1GHzチップを搭載し、ディスプレイは4.3インチ、そして新しいバージョンのWindows Phoneを採用する」(Fan Jiongyi氏)というのが特徴だ。

 会見後、取材に応じたJiongyi氏によると「新しいバージョンのWindows Phoneとは『Tango』のことで、コスト効率に非常に優れたOS」だという。ちなみに、TangoというバージョンのWindows Phoneはまだマイクロソフトから正式に発表されていないが、ZTEのブースにはすでに実機が置かれていた。このほか、ZTEのプレスカンファレンスでは、Android 4.0やクアッドコアを採用したタブレット端末も発表されている。




(石野 純也)

2012/2/28 12:39