【Mobile World Congress 2012】
モトローラの製品ポートフォリオ担当副社長に最新機の魅力を聞く


Motolora MobilityのVice President、Mutricy氏

 長らく日本市場ではケータイをリリースしていなかったモトローラだが、昨年はWiMAX内蔵の「PHOTON」、そして3月には「RAZR」と、立て続けにスマートフォンを投入してきた。RAZRは大ヒットシリーズの名前を受け継ぐスマートフォンだけに、さまざまな新機能が搭載され、モトローラのフラッグシップモデルにもなっている。

 今回はMotorola Mobilityがプレス向けに行なったラウンドテーブルにて、Senior Vice President, Portfolio and Product ManagementのAlain Mutricy氏にRAZRなど同社の最新製品について聞いた。

 RAZRの新機能である「Smart Action」について、同氏は「RAZRがどうすればよいかを判断する」と紹介する。Smart Actionは位置情報や通話、加速度センサなどの状態を「トリガー」とし、設定変更などの「アクション」を自動実行させる機能となる。この機能により、そのときどきに必要な設定に自動で切り替えたり、必要のないときにWi-FiやGPSといった機能をオフにすることで電力を節約したりすることができる。

RAZRからMotoCast機能でパソコン上のファイルにアクセスできる

 MotoCastについては「非常に簡単にパソコンにつなぐ方法」と紹介する。これはパソコン側にサーバーソフトウェアをインストールしておくことで、RAZRからインターネット経由でパソコン内の共有ファイルにアクセスできるというもの。パソコンの中の音楽や動画をストリーミング再生したり、ドキュメントファイルをRAZRにダウンロードし、ほかのアプリで利用したりできる。

 モトローラの上位モデルには、専用のドックを使用することで、テレビやパソコン用ディスプレイにパソコンと同じブラウザ(Firefox)とAndroidの画面を同時に表示させる「WebTop」という機能が搭載されている。このWebTopとMotoCastの棲み分けについては、「WebTopはPCライクなブラウザやフルサイズのキーボードなどを使うためのもので、MotoCastとは違う」と説明した。

 この2つの機能やビジネス対応のソフトウェアは、RAZRだけでなく、ほかのモトローラのラインナップにも広げていく方針だという。

 Mutricy氏は、ほかのラインナップについても紹介した。「DEFY MINI」はCESで発表されたばかりの未発売モデル。より安価なモデルで、アジア市場への投入も予定しているという。シンプルなUIを搭載していて、初めてスマートフォンを持つような人もターゲットとし、「Life Proof」をうたう防水仕様にもなっている。

MOTOACTV(MWCのブースにて撮影)

 このほかにも、腕時計型の周辺機器「MOTOACTV」についても紹介する。こちらはフィットネス用途などを想定したもので、フィットネス中に身につける機器を減らせるよう、GPSトラッカーやミュージックプレーヤー、心拍計(センサーが別途必要)、スマートフォンからの通知表示などの機器を内蔵しているのが特徴となっている。3G通信機能があるわけではないが、Bluetoothだけでなく、Wi-Fiも内蔵している。こちらも日本での発売は未定だが、すでに北米では発売済みとなっている。

 海外への展開については、Mutricy氏はアジアや中国などボリュームが見込めるマーケットに取り組み、簡単に使えるシンプルなUIを提供するとの考えを示した。

(白根 雅彦)

2012/2/29 13:07