【Mobile World Congress 2013】

海外版「らくらくスマートフォン」を展示する富士通ブース

富士通ブース

 日本のメーカーとしては、富士通もMobile World Congressに出展している。富士通初の海外向けスマートフォン「STYLISTIC S01」の展示スペースが、ブースのほぼ半分を占めており、「STYLISTIC S01」を前面に押し出す展示となっていた。

 「STYLISTIC S01」は、NTTドコモの「らくらくスマートフォン」をベースとしたスマートフォン。シニア層などに向けてユーザビリティの向上が図られている。本体のサイズやデザインといったスペックは、らくらくスマートフォンと同等だが、おサイフケータイ機能が省かれている。ディスプレイは4インチのワイドVGAで、プロセッサはクアルコムのMSM8255、システムメモリは1GBとなり、OSはAndroid 4.0を搭載。防水および防塵仕様にも対応している。本体サイズは130×64×10.9mm。

STYLISTIC S01

 ソフトウェア面での違いは多い。Googleアカウント非対応だった「らくらくスマートフォン」ではメールや地図、アプリ配信について、Googleではなくドコモのサービスを利用する形だったが、「STYLISTIC S01」ではGoogleのサービスが標準となっている。また、Google Playに対応せず、自由にアプリを追加することはできなかった「らくらくスマートフォン」と比べ、「STYLISTIC S01」はGoogle Playからアプリをダウンロードして利用することが可能となっている。

 「STYLISTIC S01」は、フランスの携帯電話事業者であるOrangeで取り扱われ、6月から発売される予定となっている。そのほかの地域での販売は予定されていないが、今回のMobile World Congressのような海外イベントで積極的にアピールすることで、販売地域の拡大を目指している。

STYLISTIC S01の展示
UIはらくらくスマートフォンと同じデザイン
らくらくスマートフォンになかったGoogleマップやPlay Storeがある
Orangeの独自アプリも搭載されている
Gmailアプリは独自デザイン
フランスで発売予定だが、英語やスペイン語、イタリア語、ドイツ語にも対応していた
外見デザインはらくらくスマートフォンとほぼ同等
背面には富士通とOrangeのロゴが入る。おサイフケータイ非搭載なのでFeliCaマークはない
らくらくスマートフォン同様に、防水仕様となっている
卓上ホルダにも対応する

 このほかにも、富士通によるさまざまなスマートフォンやモバイル製品、あるいはそれらに搭載されている各種技術の展示が行なわれている。

 ARROWSシリーズに搭載されている、センシング技術を応用したユーティリティ機能「ヒューマンセントリックエンジン」の展示も行なわれている。通話音声を引き延ばす「ゆっくりボイス」などの機能が、英語で使えることも紹介されていた。

 また、富士通製スマートフォンに搭載されている指紋センサについても展示されていた。指紋センサ搭載のAndroid端末は海外でも珍しいこともあり、来場者が実機で試している姿が見られた。

ヒューマンセントリックエンジンや指紋センサ、防水機能をアピールしている
ゆっくりボイス機能の紹介
指紋センサとプライバシーモードの紹介
指紋センサの実機デモにはF-04Eが使われていた
富士通の健康管理サービス「からだライフ」は英語版でデモ展示
富士通製のノートパソコンやドキュメントスキャナも展示されていた
アクセスネットワークテクノロジー製の国産唯一のLTEチップ、ANTシリーズも展示されている
技術デモとして、レーザーを使ったHMDも展示されていた。来年はより小型なモデルを展示予定とのこと

白根 雅彦