【Mobile World Congress 2013】

激安ケータイが注目のノキア、フィーチャーフォン向けLINEも

他のメーカーがスマホ一色の中、フィーチャーフォンを多数出展して異彩を放っていたノキアのブース

 ノキアのブースには、25日(現地時間)に発表されたWindows Phone 8の「Lumia 720」「Lumia 520」が展示されていた。どちらも最上位機種ではなく、普及価格帯を狙ったモデル。Lumia 720は、F値1.9のカールツァイスレンズを搭載したWindows Phoneで、ディスプレイは4.3インチ。Lumia 520はより廉価なモデルで、720にあるNFCにも対応しない。

ミッドレンジでカールツァイスレンズ搭載の「Lumia 720」
よりコンパクトで、最低限の機能に絞り込んだ「Lumia 520」
わずか15ユーロ(約1800円)で販売する「Nokia 105」。もちろんこの価格には回線契約に伴う販売奨励金は含まれていない。機能は至ってシンプルだが、懐中電灯としても使える

 こうしたWindows Phoneのラインナップを展示する一方で、目立っていたのがフィーチャーフォンだ。中でも注目を集めていたのが、上記2機種同時に発表された「Nokia 105」。わずか15ユーロ(約1800円)の携帯電話で、通話に特化したシンプルな機能が特徴だ。通信方式もGSMのみに対応。懐中電灯機能を搭載する点がユニークな端末といえるだろう。中国メーカーに押されつつあった新興国のローエンド市場で、巻き返しを図る狙いがあると見られる。

ノキアブースの一角に展示されていた、LINEを紹介するポップ

 また、メッセージアプリの「LINE」を展開するNHN Japanは26日、ノキアとの戦略的提携に関する発表を行っている。この提携を通じて、NHN JapanはNokia OSなどを搭載するフィーチャーフォンにも、LINEを提供する。ブースにはLINEを紹介するコーナーもあり、「ASHA」シリーズというコンパクトなタッチパネル搭載端末にアプリがインストールされていた。

 実機を確認してみたところ、トークやスタンプといったLINEの核となる機能は、他のスマートフォン版に近い操作感を実現していた。一方で、LINEゲームなどの機能には対応していない。トークも、画面デザインの細部は異なっている。LINEはすでにWindows Phoneにも対応しているため、ノキアの端末であればスマートフォン、フィーチャーフォンを問わずにメッセージのやり取りができることになる。

 NHN Japanは、海外進出を加速させているが、この取り組みでまだリーチできていないインドや中東、アフリカなどの市場を狙う。

起動時の画面には、おなじみのLINEロゴが表示される
友達一覧の画面。サイズが小さい分、凝縮されているがレイアウトはスマホ版に近い
トーク中の表示は、このようになる。スタンプも利用可能だ

石野 純也