【Mobile World Congress 2014】

上下に拡大するFirefox OS端末、25ドルスマホも登場

 24日(現地時間)に開幕するMobile World Congressに先がけ、Mozillaはプレス向けイベントを開催。Firefox OSの広がりや、最新の取り組みについて解説した。

Firefox OSの実績と今後の展開を語ったChief Operationg Officerのジェイ・サリヴァン氏

 「Firefox OSは世界にオルタナティブ(別の選択肢)を与える」と語るCOOのジェイ・サリヴァン氏は、同OSを搭載した端末がすでに15の市場で発売されていることを紹介。「フィーチャーフォンから乗り換える最初のスマートフォン」(同)として、主に新興国市場でFirefox OSが選ばれていることを紹介した。南米や欧州を皮切りに、2014年はアフリカ、アジア、東欧といった地域にもFirefox OSを拡大していく構えだ。

15の市場で4つのキャリアから端末が発売された
アフリカやアジアなど、これまでFirefox OS端末が進出していなかった地域にも拡大を狙う
ZTEはラインナップを拡大。ミドルレンジの端末も発売する

 端末の選択肢は、上下に拡大していく。初代Firefox OS端末の「ZTE OPEN」や「Alcatel One Touch Fire」はシングルコアCPU搭載のローエンドモデルだったが、新たにデュアルコアCPUモデルを拡充。「ミドルティア(中位機種)へのステップアップ」として、サリヴァン氏はZTEの「ZTE OPEN C」を発表した。ZTEはZTE OPENの後継機として、「ZTE OPEN II」もラインナップしている。

「ZTE Open C」はデュアルコアCPUを搭載。ディスプレイも4インチとなり、他のスマートフォンにスペックも近づきつつある
TCLは、ラインナップを4モデルに拡大する

 TCLはAlcatel One Touch Fireのバリエーションを4機種に拡大。「Fire C」「Fire E」「Fire S」「Fire 7」を開発し、より高機能な方向へ舵を切った。また、新たなパートナーとして、ファーウェイも参画。4インチのWVGA液晶を搭載したデュアルコアCPU端末の「Y300」を発売する。

「Alcatel Fire C」は、3.5インチとコンパクトだが、CPUはデュアルコアに強化されている
ファーウェイもFirefox OS端末を開発した

25ドル(約2500円)のスマートフォン

 より高機能な端末が生まれる一方で、さらに価格を下げた廉価モデルも登場した。サリヴァン氏が「25ドル(約2500円)のスマートフォン」として紹介したのが、中国・上海に拠点を置くSPREADTRUMのスマートフォン。1GHzのCortex A5を採用したコンパクトな端末で、新興国市場で発売される予定だ。

 また、Mozillaはリファレンスモデル「Firefox OS Flame」も開発。1.2GHzのデュアルコアCPUを搭載したモデルで、NFCやデュアルSIMなどの最新機能もサポートする。RAMは1GBから256MBに変更が可能で、低スペックモデルでの動作確認にも利用できるのが特徴だ。

25ドルスマートフォン。スペックは低いが、他を圧倒する価格となっている
開発者用のリファレンスモデル「Firefox OS Flame」

 Firefox OSのイベント会場では、近い将来予定されているアップデートの一端を見ることもできた。1つ目が検索機能の強化で、Web履歴やアプリなどを横断的に検索できるようになるという。フリックによるアプリの切り替えが可能になり、Webからアプリを開き、またWebに戻るといったことも実現する。こうしたWebとアプリの境目がなくしてくUIも搭載される予定だ。ゲーム向けのパフォーマンス向上にも取り組んでいるという。

検索機能の強化や、UIの改善なども行われる予定だ

KDDIや日本のコンテンツプロバイダーの取り組み

Firefox OSの狙いを語る、KDDIの上月氏

 イベントには、日本でFirefox OS端末を導入するKDDIや、Firefox OS向けのアプリを開発した楽天、リクルートといった企業も参加していた。同社の商品統括本部 商品企画部 商品戦略3グループ グループリーダーの上月勝博氏によると、現状は「ベースとなるOSのコードを書き、コントリビューション(OSへの貢献)を進めている段階」だという。

 Firefox OSはオープンソースのプロジェクトで、メーカーやキャリアがそれぞれのコードを持ち寄り、コントリービューションを行っていく仕組みだ。上述した端末に搭載されたNFCも、ドイツのキャリアであるT-Mobileが中心になって実装されたという。これに対してKDDIは、「セキュリティを担保しないといけない。日本語に加えて、アドレス帳などもローカライズしている」(同)。

 これまで、同社の代表取締役社長 田中孝司氏はFirefox OS端末のターゲットを「ギーク向け」と語っている。ギーク向けとはどのような端末になるのか。上月氏はFirefox OS端末の狙いを次のように語り、ハードウェアだけでなく、ソフトウェアでも最先端を体感できるものになることを明かした。

「今までギーク向けというと、どちらかと言えばハード志向だった。一方で、これだけスマートフォンが大画面になり、クアッドコアCPUも当たり前になると、ハードウェアだけでの差別化が難しい。使い方やWebのオープン性に期待する方に向けた端末にしていく」

 Firefox OS端末に合わせて楽天やリクルートといった企業がアプリを開発したが、Firefox OSは「AndroidやiOSよりアプリが相当作りやすかった」(楽天 編成部 モバイル戦略課 モバイルビジネス開発チーム グループマネージャー 加藤雄一氏)。「元々、Webのバージョンがあって、それをどこまで簡単にアプリにできるかやってみたが、効率的に作れた」(同氏)といい、HTML5を採用していることが、楽天のようなWeb開発会社にとってのメリットになることが語られた。

楽天やリクルートといった企業も、Firefox OS向けのアプリを開発した

(石野 純也)