【Mobile World Congress 2015】

KDDIが出資、スマホでもウェアラブルでもない「Runcible」をMozillaブースで見た

 Firefox OSを開発するMozillaのブースでは、Firefox OSに関する、さまざまなセッションが行われていた。KDDIが出資を決めた、米国のスタートアップ企業「Monohm」(モノーム)も、ここに参加。同社が開発したIoT(Internet of Things、モノのインターネット)志向のデバイス、「Runcible」(ルンシブル)の実機を公開した。

Firefox OSを採用する「Rucible」

 Runcibleは、スマートフォンでもない、ウェアラブル端末でもない、一言では言い表しづらいジャンルの製品。端末は円形になっており、背面にはカメラも搭載。「LTEにも対応して、Bluetoothヘッドセットがあれば通話もできる」(創業者 社長兼CPO ジョージ・アリオラ氏)と、スマートフォン的な基本機能も備えているが、従来のカテゴリーの枠にとらわれない製品になっている。アリオラ氏が「懐中時計のようで、直感的なデバイス」というように、デジタル版の懐中時計と言えるのかもしれない。

創業者の1人、ジョージ・アリオラ氏
外観や役割などは、懐中時計がモチーフになっている

 単体で使える機能の1つが、TwitterやFacebookといった通知をさりげない方法でユーザーに伝えること。スマートフォンのように文字と音で通知が届くのではなく、時計の文字盤にドットが現れるなど、シンプルな見せ方にこだわっている。撮った写真がRucibleの形状に合わせて円形になるのも、この端末ならではの表現方法。ここから直接、SNSにアップロードすることもできる。車のステアリングや自転車のハンドルにはめ込んで、ナビのようにマップを表示させる使い方も可能だ。

ただの時計に見えるが、実は青い丸が通知を表している。このように、情報をさりげなくユーザーに伝える
自動車のステアリングにはめてナビにするといった使い方も想定しているという

 RuncibleはIoTの“ハブ”としての機能も持ち、他の機器と連携。スピーカーとつながっているときは本体そのものが音量のつまみになり、右側に回すと音量アップ、左側に回すと音量ダウンといった形で操作ができるようになるという。操作そのものに凝っている、ユニークな端末なのだ。

スピーカーのつまみとして使っているところのイメージ

 OSにはFirefox OSを採用しており、これもKDDIが出資した際の決め手になった。アリオラ氏はFirefox OSを選んだ理由に、オープンさを挙げており、AndroidやiOSのアプリよりもWebの開発者が多いことを指摘。製品連携の規格にはアップルのBonjourと同じmDNSを使っており、これもオープンさを重視して採用したという。

連携できるデバイスが現れている画面

 アリオラ氏はかつてソニーなどの企業に在籍していており、日本に住んでいたこともある。こうしたバックグラウンドから日本のカルチャーにも精通していて、もの作りに対するこだわりも強い。Rucibleについては、背面に職人が作ったカバーを採用する計画もあるという。

公開した試作機の背面は木目だが、ここには、さまざまな素材を用いることもできる

 Mozillaからは、Firefox OSがスマートフォンやタブレット以外の様々なデバイスに広がっていることが解説された。同OSはパナソニックがテレビに採用している。また、「Matchstick」のように、テレビのHDMIに接続して、Chromecastのようにスマートフォンなどから映像を受けるデバイスも開発され、デバイスの枠を超えた広がりを見せている。

テレビに採用されるなど、スマートフォン以外への広がりも見せるFirefox OS

(石野 純也)