【東京ゲームショウ2010】
キャリア不在もスマートフォン向けゲームの展示が増える


 コンピュータゲームの展示会「東京ゲームショウ2010」が、千葉県の幕張メッセで開催されている。会期は9月16日~19日の4日間で、そのうち16日と17日は関係者向けのビジネスデイで、一般公開日は18日と19日になっている。主催は社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)。一般の入場料は前売り1,000円、当日1,200円。

 ケータイ関連の展示では、2009年まで大きな単独ブースを構えていたドコモが、今年のゲームショウには出展していない。KDDIは2008年、ソフトバンクは2007年を最後にゲームショウに出展しなくなったため、今年は久しぶりのケータイキャリア不在のゲームショウとなった。その影響もあり、iアプリ/EZアプリ/S!アプリのゲームの展示は激減している。

モバイルコーナー

 その代わりに、モバイル専業メーカーの小規模ブースを集めた「モバイルコーナー」に、今年は「iPhone&iPadコーナー」と「Androidコーナー」が新設された。これらは特定の企業による出展ではなく、いくつかの企業によるアプリの合同展示ブースとなっている。これらのコーナーもあって、スマートフォン向けゲームの出展数は増加した。

 さらに、ゲームショウのビジネスデイ2日目となる9月17日には、iPhone&iPadコーナーに展示するコンテンツプロバイダーらが参加し、「ゲーム機として進化するiPhone~i Love iPhone × Games」というステージイベントが開催される。同イベントでは、新作ゲームなども発表される予定だという。

 このほかにも、大手ゲームメーカーの一部には、自社ブース内でケータイ向けコンテンツを紹介しているところも見られた。

 

バンダイナムコゲームス

バンダイナムコのiPhone向けアプリ展示コーナー

 バンダイナムコゲームスは、自社ブース内にiPhone向けの新作ゲーム紹介コーナーを設けていた。いずれも実機により試遊が可能になっていた。展示されていた5タイトルのうち、3タイトルはガンダムのコンテンツ。バンダイナムコによるiPhone向けガンダムゲームは、今回のラインナップが初めてになるという。一部は配信中だが、ガンダムのコンテンツの配信時期や価格は未定となっている。iPhone向けのゲームは、配信日はアップルの審査に左右されるため、どのメーカーも配信日を明言していない。

「SDガンダム Gジェネレーション タッチ(仮称)」は、人気SLG「Gジェネレーション」シリーズのiPhone版。初代ガンダムのストーリーとなっていた「ガンダム ファイティングスピリッツ(仮称)」は、ガンダムをモチーフにした格闘ゲーム。初代からSEEDまでのガンダムが選択できた
「GUNDAM Tool Box - RX-78-2 COCKPIT ver. -(仮称)」は、ゲームではなく、初代ガンダムのコックピットをモチーフにしたランチャーアプリ「TIME CRISIS 2ND STRIKE」は、ガンシューティングの「TIME CRISIS」シリーズの最新作。ゲームショウ開催に間に合い、現在配信中
「太鼓の達人プラス」は、すでに配信中のゲームだが、近日中に無料アップデートでBluetoothによる対戦に対応するという「太鼓の達人プラス」は、共同ブースであるiPhone&iPadコーナーにも展示されていた

 

コーエーテクモゲームス

 コーエーテクモゲームスも、自社ブースとiPhone&iPadコーナーの両方でゲームを展示していた。とくに同社のブース内では、同社初となるAndroid向けタイトル「Annie's Wild Shot」を展示している。これはiPhone向けに配信されているもののAndroid版。なお、同社ではiPhone向けに「三國志2」を現在開発中だが、そちらは実機展示は行われていなかった。

Android版「Annies's Wild Shot」はXperiaでデモが行われていたiPhone&iPadコーナーでのコーエーテクモの展示

 

ゲームロフトとタイトー

 ゲームロフトは、自社ブースを出展せず、iPhone&iPadコーナーで展示。ゲームロフトが提供する多数のタイトルを試遊できるようになっていた。

 ゲームショウ初日となる9月16日には、新作の試遊は用意されていなかったが、近日中に、シリーズ最新作となる「リアルサッカー2011」の配信が開始されるとのこと。また、iPhone向け「モダンコンバット」と「ダーククエスト」の続編も準備中だという。

配信中のFPS「N.O.V.A」ゲームロフトの多数の配信中タイトルがiPhoneかiPadで楽しめる展示となっていた
iPhone&iPadコーナーでのタイトーの展示

 同じく自社単独のブースは出展していないタイトー(親会社のスクウェア・エニックスは自社ブースを出展)では、iPhone&iPadコーナーで「スペースインベーダー インフィニティジーン」と新作の「バブルボブルダブル」を展示していた。スペースインベーダー インフィニティジーンは、すでにiPhone向けには配信中だが、開発中のiPad最適化版が試遊可能な状態となっていた。配信中のiPhone版がiPadにも対応するユニバーサル化アップデートが行われる予定で、今秋配信予定とのこと。

 

iPad版の「ラブプラスi」

 コナミは、自社ブース内ではケータイ向けコンテンツ自体は展示していなかったが、ブース内の各所にiPhone版の「ラブプラスi」シリーズ向けのARマーカーを設置していた。また、iPhone&iPadコーナーでは、未配信のiPad版「ラブプラスi」シリーズをデモンストレーションしていた。同アプリは、参考出展という形式で、今後の展開に関しては未定とのこと。

参考出展となるiPad版の「ラブプラス」。iPhone版の拡大表示ではないKONAMIブースのARマーカー(左)。右はAR画像ではなく、リアルのお姉さん

 

ハドソン、カプコン、セガ

 ハドソンも、自社ブースは出展しないが(家庭用ゲーム機向けゲームは親会社のKONAMIブースにて展示)、iPhone&iPadコーナーにて、配信されたばかりの新作「僕とちくわと鉄アレイ」を含むアプリを展示していた。またハドソンは、Androidコーナーに「ネクタリス」を展示している。

こちらは配信中のストラテジーゲーム「とある騎士団と幻のお城」。現在プライスダウン中往年の名作ストラテジーゲーム「ネクタリス」のAndroid版。北米などでは「Military Madness」という名前で、iPhone向けにも配信されている

 カプコンも、自社ブース内でケータイ向けコンテンツを展示していないが、iPhone&iPadコーナーで「ストリートファイターIV」を展示していた。同タイトルはすでに配信中だが、近日中に無料バージョンアップで「C.ヴァイパー」と「E.本田」の2キャラクターが追加されるという。

iPhone&iPadコーナーでのカプコンの展示。iPadでもストリートファイターIVをプレイできたゲームショウ記念で、9月20日までiPhone版のバイオハザードが大幅に値引きされている

 セガは、iPhone&iPadコーナーで、「ソニック・ザ・ヘッジホッグ4 エピソードI」などの新作を展示していた。同タイトルは900円で近日配信開始予定ととのこと。このほかにもAndroidコーナーでは「ぷよぷよフィーバーTOUCH」を展示していた。

「ソニック・ザ・ヘッジホッグ4 エピソードI」の画面Androidコーナーでは、ほかのプロバイダのゲームに混じって「ぷよぷよフィーバーTOUCH」を展示

 

スクウェア・エニックス

 スクウェア・エニックスは、iPhoneやiPadコンテンツは展示せず、同社ブースでiモード向け「FINAL FANTASY LEGENDS」と、同社による電子コミック配信を展示していた。

 電子コミック配信サービスとしては、すでにiモードなどには展開中の「ガンモバコミックス」に加え、開始時期は未定の参考出展として、iPhone/iPad向けの「ガンガンONLINE」も紹介していた。

ケータイオリジナル作品となる「FINAL FANTASY LEGENDS」は、iモード向けには配信中だが、EZweb向けにも今冬配信予定iPhone/iPad向けの「ガンガンONLINE」、展示しているアプリは開発中のもので、実際のサービスがどのような形式になるかは未定とのこと

 

レベルファイブ、タカラトミー

レベルファイブの展示。ステレオヘッドホンも用意されていた

 レベルファイブは、同社ブースにてiモード向けコンテンツ「二ノ国 ホットロイトストーリーズ」と「キャバ嬢っぴ」を試遊展示していた。「キャバ嬢っぴ」は配信中だが、「二ノ国 ホットロイトストーリーズ」については、ニンテンドーDS向け「二ノ国 漆黒の魔導士」の発売日と同じ、2010年12月9日の配信開始を予定している。


 

「トミカ ハイパーレスキュー」のお絵かきモード。水などの動きは物理演算処理で、iPadの傾きに連動するなど、意外とリアル

 タカラトミーは、iPhone&iPadコーナーで、「トミカ ハイパーレスキュー」を展示していた。同アプリは、9月13日に発表されたばかりのiPhone/iPad向けブランド「Family Apps」の第1弾。救急車両のミニカーシリーズ「ハイパーレスキュー」をモチーフとしたアプリで、主に未就学児童向けの、非常にシンプルな内容となっている。一方でお絵かきモードでは、画面上に描いた線を地形として、ミニカーを置いたり水を流したりすることも可能となっている。


 

iPhoneで操縦するラジコン

飛行中のAR.Drone(中央)
着陸中のAR.Drone。屋内向けのローターガードが装着されている

 ゲームではないが、フランスのパロット社は、iPhone/iPadで操縦できるラジコンヘリコプター「AR.Drone」を出展していた。AR.Droneはゲームショウ初日(9月16日)より、ネット通販のAmazonやソフトバンクオンラインショップ、実店舗のソフトバンクショップの一部などで発売されている。価格は4万3800円。

 AR.Droneは4ローターのラジコンヘリコプターで、iPhone/iPadから無線LANで接続し、AR.Droneに搭載されたカメラの映像を見ながらの操縦ができる。AR.Droneは安定性の高い複数ローターのヘリコプターで、さらに加速度センサーや距離センサー、画像解析技術などを組み合わせた自動制御により、初心者でも安定した飛行が可能となっている。

 標準的なコントローラーアプリ「AR.FreeFlight」は無料で提供されるが、カメラに写ったARマーカーなどを組み合わせ、ラジコン操縦にゲーム的な要素を加えたアプリは有料で販売される。近日中に、複数台のAR.Droneで空中戦を行えるアプリ「AR.FlyingAce」が発売される予定。さらにAR.Droneを使ったゲームをサードパーティが開発できるよう、SDKも公開されているという。

 展示では、バレーボールコート半面ほどのスペースで、来場者が実際に操縦できるデモが実施されていた。ブースは暴走対策のネットで囲まれているが、操縦者以外もネットの中に入り、飛行中のAR.Droneを触れるくらいまで近くで見物できていた。

 

AR.Droneの操縦方法。おそらく初めて操縦するであろう来場者も、安定した飛行をさせていた来場者は飛行エリアのギリギリまで近いて見ることができた

 このほかにも、配信中のコンテンツなどを展示している大小のメーカーが多数見られた。

iPhone向けゲーム「つみネコ」を提供するビースリー・ユナイテッドは、つみネコをフィギュアと一緒に展示元気モバイルはAndroidコーナーで新作ゲーム「恋の夏期講習」を展示
NHN Japanのハンゲームは独自ブースを持たないものの、コンパニオンを配置してiPhoneアプリをアピールハンゲームはAndroidコーナーでもミニゲームアプリを紹介している
ビジネスデーのAndroidコーナーでは、比較的専門性の高い講演セッションも行われていたディースリー・パブリッシャーは配信中の女性向けゲーム「mobile VitaminZ」を、同社ブース内でケース内展示

(白根 雅彦)

2010/9/17/ 12:15