【ワイヤレスジャパン2013/WTP2013】

国内初披露、Firefox OS搭載スマートフォン

 Mozilla Japanのブースでは、国内初披露となるFirefox OS搭載スマートフォン「peak」 が展示され、来場者の注目を集めていた。

Peak

 Firefox OSは、HTML5といったWeb標準技術による、オープンソースモデルの端末プラットフォーム。今年2月の海外イベント「Mobile World Congress」で搭載端末が発表された。スマートフォンやタブレット端末だけでなく、さまざまな組込機器への導入も可能という。今回ブースでは、オムロンの日本語入力システムであるWnnのFirefox OS版が参考出品されていた。

オムロンが日本語入力システムを展示

 Android OSなどと同じくLinux OSをベースとしたOSだが、いわゆるWeb OSと呼ばれるもので、担当者は「よりシンプルでスマートなもの」と話していた。ベースとなるLinuxの上でGeckoエンジンと呼ばれるFirefoxのWebブラウザエンジンが動作し、その上にさまざまなWebアプリがある構造。Linuxカーネルの上に仮想マシンなどのライブラリが置かれ、さらにその上にブラウザアプリやネイティブアプリが置かれるAndroidよりも構造は単純化されている。

 すべてをブラウザ上で操作している形となるため、WebアプリとWebサイトの垣根はない。HTML5で記述したパソコン向けのコンテンツがFirefox OSでもほとんど手を加えずに動作表示できる。動作が軽快で、必要なメモリも少なく、海外ではより安価な普及モデルでの採用に期待されている。なお国内では、KDDIが対応スマートフォンの提供に名乗りを上げている。

 Mozillaでは、Googleが主導的な立場をとるAndroid OS、アップルが提供するiOSに比べ、オープンなコミュニティであること強調しており、OSにどういった機能を盛り込むかも、各社が参加して決定していく手法をとっている。

 Mozilla Japanによると、社団法人であるMozillaが国内で大きなブースを構えたのは初めてのことという。担当者は「HTML5ではいろいろなことができる。しかし、いざとなったらネイティブアプリでやればいいという考えでは、それでは真のオープンとは言えないのではないか。カーネルとは完全に分離しており、Firefox OSはGeckoエンジンをアップデートしたとしても再起動すらいらない。非常にシンプル」と話す。

 Firefox OSの現在のバージョンは「1.0.1 prerelease」となっている。バージョン1.1では機能の追加を、今秋~冬のバージョン1.2ではブラウザエンジンが更新される予定。さらにその後、アーキテクチャを大きく変更するバージョン2.0が登場するものとみられる。

津田 啓夢