【ワイヤレスジャパン2015/WTP2015】

5G、LTE Advanced、VoLTEの技術を紹介するドコモ

 5月27日~29日、東京ビッグサイトにて、通信関連分野の展示会「ワイヤレスジャパン2015/ワイヤレステクノロジーパーク2015」が開催されている。本稿では、NTTドコモの展示をご紹介しよう。

 NTTドコモのブースでは、次世代通信技術、5Gについて紹介していた。2020年までに5Gを商用サービスとして展開するべく、ネットワークベンダー各社と要素技術の開発に取り組んでいる。2014年に公開された、5Gのリアルタイムシミュレーターを展示していた。

5Gに関する展示
5Gのリアルタイムシミュレーター
ネットワークベンダーと協力して5G技術を開発

 また、3月より開始した「PREMIUM 4G」についても展示していた。「PREMIUM 4G」は、LTE-Advancedのキャリアアグリゲーション(CA)技術と、大規模基地局(マクロセル)のエリア内で小規模基地局(スモールセル)を協調動作させるネットワークアーキテクチャ技術「高度化C-RAN」を組み合わせることによって実現した高速通信サービスに名付けられたブランド。

 「高度化C-RAN」では、マクロセルで広範囲のエリアをカバーし、そのエリア内のスモールセルの範囲内では、キャリアアグリゲーションにより、2つのセルを同時に利用して通信する。スモールセルを多数展開する場合と比較して、スモールセルのエリアから移動した場合でも、ハンドオーバー(基地局切り替え)をすることなく、安定した通信ができるメリットがある。

「PREMIUM 4G」対応機と非対応機での、通信安定性比較実験映像
高度化C-RAN
スモールセルのアンテナ部
マクロセルとスモールセルを一括して制御する親局

 そのほかドコモブースでは、2014年12月に標準規格化された、VoLTE向けの音声コーデック「EVS」のデモンストレーションを行っていた。現在VoLTE端末で用いられているコーデック「AMR-WB」と比較して、同等ビットレートでより高音質の音声伝送が可能になる。音楽などを転送することも可能になるという。ドコモでは、通話しながら効果音やBGMなどを転送できる「音声スタンプ」というアプリを試作して展示していた。

EVSコーデック
現在のVoLTE用音声コーデックでの再生イメージ
新コーデックEVSでの再生イメージ
音声スタンプ。ボタンを押すと通話内で音が鳴る

石井 徹